2020年のF1世界選手権がいよいよ開幕。3月26日(金)にバーレーン・インターナショナル・サーキットで第1戦 F1バーレーンGPGPのフリー走行1回目が行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がトップタイムを記録。史上最多の23戦のスケジュールが組まれた2021年のF1世界選手権。ホンダF1のラストイヤー、7年ぶりの日本人ドライバーとして角田裕毅の参戦を始め、8名のドライバーがデビュー・移籍・復帰するなど、チームとドライバーの組み合わせがガラリと変わる1年となる。
昨年の新型コロナウイルスの世界的な流行によって、新しいF1レギュレーションは2022年まで導入が延期。2021年は基本的に昨年型のシャシーが引き継がれたが、ダウンフォースを削減するためにリア周りの技術規則の変更、およびピレリが供給するタイヤの構造変更などにより、F1プレシーズンテストでは勢力図がまったく見えない状況となった。また、F1で初めて予算上限が導入され、全チームが開発に費やす予算で戦うことになる。金曜日のサヒールは晴れ間が広がり、気温34.7度、路面温度47.6度のドライコンディションでセッションはスタート。今季からフリー走行はすべて60分に統一され、金曜日のセッションは30分ずつ短縮される。そのため、多くのドライバーが開始早々にコースイン。2年ぶりのF1復帰となるフェルナンド・アロンソを先頭に走行はスタートした。ピレリは、F1バーレーンGPに昨年と同じC2(ハード)、C3(ミディアム)、C4(ソフト)という3種類のコンパウンドが選択。供給されるタイヤは、ハードが2セット、ミディアムが3セット、ソフトが8セットと固定される。ウィリアムズ勢、アルピーヌ勢、マクラーレン勢はハード、ハース勢とアントニオ・ジョビナッツィはミディアム、それ以外はソフトで走行を開始した。2週間前のプレシーズンテストの舞台ともなったバーレーン・インターナショナル・サーキットは、砂漠の中にあり、砂によるダスティな路面、タイヤに厳しいトラクションエリア、4本のストレート、ヘビブレーキングなど、マシンの総合バランスが問われるサーキット。現地時間18時からスタートし、夜の闇の中でゴールを迎えるトワイライトレースとして開催されているF1バーレーンGPは、夕方から気温および路面温度が大幅に下降するため可能性があり、チームの対応力が問われるレースとなる。セッション中盤でタイムシートのトップに立ったのはマクラーレンのランド・ノリス(1分31秒897)、2番手はメルセデスのルイス・ハミルトン(1分32秒241)、3番手はダニエル・リカルド(1分32秒434)を記録。メルセデスF1エンジンを搭載したマクラーレンが走り出しから速さをみせている。後半に移行しても各チームが60分という時間のなかで忙しくプログラムを進める。フリー走行1回目のトップタイムを記録したのはレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン。12周を走行したフェルスタッペンは1分31秒394をマーク。まだ異なる時間帯に記録したF1プレシーズンテストの最速タイムからは2.5秒近く遅い。それでも、昨年の弱点とされたマシンの不安定さは出ておらず、ホンダの新型F1エンジンも好スタートを切った。チームメイトのセルジオ・ペレスは6番手。フェルスタッペンからは0.677秒差がついた。2番手はメルセデスF1のバルテリ・ボッタス。トップから0.298秒差の僅差。チームメイトのルイス・ハミルトンもトップから0.527秒差の4番手。2週間前のF1プレシーズンテストでは苦戦していたメルセデスだが、そこまで状態は悪そうではない。3番手にはマクラーレンのランド・ノリス。今季からメルセデスのF1エンジンを搭載するマクラーレンは、2021年のダークホース的な存在と考えれており、チームメイトのダニエル・リカルドも9番手につけた。5番手はフェラーリのシャルル・ルクレール。トップからは0.599秒差。昨年は低迷したフェラーリだが、スタートとしては悪くない位置につけた。チームメイトのカルロス・サインツは8番手につけた。7番手はアルファタウリ・ホンダF1のピエール・ガスリー。ミッドフィールドでの戦いのなかではマクラーレンとフェラーリに次ぐ位置につけており、下馬評通りの展開だ。注目の角田裕毅はトップから1.935秒差の14番手で最初の公式セッションを終了。トラフィックに声を荒げるシーンがあるなど、ルーキーらしからぬ熱さもみせた。10番手にはアントニオ・ジョビナッツィ、11番手にはキミ・ライコネンとアルファロメオ勢が続いた。現時点では12番手のセバスチャン・ベッテル、13番手のランス・ストロールのアストンマーティン勢との戦いが予想される。ベッテルは移籍組では唯一残留ドライバーを上回った。その後ろにはアルピーヌF1。エステバン・オコンが15番手、フェルナンド・アロンソが16番手。さらにウィリアムズ勢が2人のルーキーを擁するハースF1勢を上回った。2021年 第1戦 F1バーレーンGP フリー走行1回目 結果・タイム 順位NoドライバーチームベストタイムGAP周回133マックス・フェルスタッペンレッドブル・ホンダ1分31秒394 12277バルテリ・ボッタスメルセデス1分31秒6920.2981734ランド・ノリスマクラーレン1分31秒8970.50320444ルイス・ハミルトンメルセデス1分31秒9210.52715516シャルル・ルクレールフェラーリ1分31秒9930.59914611セルジオ・ペレスレッドブル・ホンダ1分32秒0710.67715710ピエール・ガスリーアルファタウリ・ホンダ1分32秒1950.80123855カルロス・サインツフェラーリ1分32秒3650.9721593ダニエル・リカルドマクラーレン1分32秒4341.040201099アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオ1分32秒7861.39216117キミ・ライコネンアルファロメオ1分33秒1341.74018125セバスチャン・ベッテルアストンマーティン1分33秒1571.763211318ランス・ストロールアストンマーティン1分33秒2331.839201426角田裕毅アルファタウリ・ホンダ1分33秒3291.935211531エステバン・オコンアルピーヌ1分33秒5282.134201614フェルナンド・アロンソアルピーヌ1分33秒8722.478181763ジョージ・ラッセルウィリアムズ1分34秒1272.73322186ニコラス・ラティフィウィリアムズ1分34秒3402.946221947ミック・シューマッハハース1分34秒5013.10716209ニキータ・マゼピンハース1分34秒9753.58116