F1ドイツGPの決勝レースを7位と8位で終えたアルファロメオ・レーシングのキミ・ライコネンとアントニオ・ジョビナッツィがレギュレーション違反でレース後にストップ・アンド・ゴーペナルティを科せられて30秒が加算され、ライコネンは12位、ジョビナッツィは13位に降格となり、11位でチェッカーを受けていたメルセデスのルイス・ハミルトンが9位、12位のウィリアムズのロバート・クビサが10位に繰り上がった。だが、アルファロメオ・レーシングは上訴の意向を示している。
F1ドイツGPのレース終了後、スチュワードはスタート時のクラッチトルク設定についてレギュレーション違反の疑いがあるとしてアルファロメオ・レーシングを呼び出した。アルファロメオ・レーシングの2台はスタートシグナルが消えた際、マニュアルでクラッチをリリースした際にリアホイールのトルクがレギュレーションに合致していなかったという。F1マシンのクラッチはステアリングホイールの裏側に設置された小さなレバーで操作されており、共通ECUを経由してクラッチに伝達されている。レギュレーションではレバーに設定されたドライバーのトルク要求がクラッチによって伝達されるトルクと合致しなければならないと定められており、最大でも遅延は70ミリ秒しか認められていない。 スチュワードの報告によると、アルファロメオ・レーシングの両ドライバーのトルク要求で伝達されたクラッチのトルクに要した時間がおよそ200ミリ秒および300ミリ秒と測定されたという。 FIA F1競技規約の第27条1項ではドライバーが「単独で援助なしに運転しなければならない」と規定されており、アルファロメオ・レーシングの両ドライバーが利益を得たかどうかに関わらず、スチュワードは今回のスタートがこれに違反したと判断した。 スチュワードは「クラッチは共通ECUによって電子的にコントロールされている。しかし、チームは制御パラメータの一部を調整するオプションを有している。レーススタート時にクラッチを繋げるにあたり、トラクションコントロール、あるいは他のアドバンテージとなり得るスキームを模範できる可能性があることから、それに影響を及ぼす形でこの調整が使われることのないよう、FIAはドライバーがクラッチをリリースする際にクラッチのトルクが(特定の範囲内で)トルク要求に合致することを要請しおり、それは70ミリ秒以内でなければならない」と声明で説明した。アルファロメオ・レーシングのF1チーム代表を務めるフレデリック・バスールは「両マシンがペナルティを科され、このようなエキサイティングなレースでポイント圏外に降格となり本当に落胆している」とコメント。「状況はスタンディングスタートの前にセーフティカーの後ろを走っている最中に発生し、我々の管理の及ばないクラッチの機能不全に陥ってしまった。問題についてはさらなる調査を行っていく」「FIAのプロセスとスチュワードの仕事は尊重するが、この決定には上訴するつもりだ。それを撤回する根拠と証拠があると確信している。この件に関しては間もなくFIAに連絡する」2019年 F1ドイツGP 決勝 結果1.マックス・フェルスタッペン(レッドブル)2.セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)3.ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)4.ランス・ストロール(レーシングポイント)5.カルロス・サインツ(マクラーレン)6.アレクサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ)7.ロマン・グロージャン(ハース)8.ケビン・マグヌッセン(ハース)9.ルイス・ハミルトン(メルセデス)10.ロバート・クビサ(ウィリアムズ)11.ジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)12.キミ・ライコネン(アルファロメオ)13.アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)ピエール・ガスリー(レッドブル)バルテリ・ボッタス(メルセデス)ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)シャルル・ルクレール(フェラーリ)ランド・ノリス(マクラーレン)ダニエル・リカルド(ルノー)セルジオ・ペレス(レーシングポイント)