ルノーは、F1チームの代表を務めてきたシリル・アビテブールが同社を離れることを1月11日(月)に発表した。2016年にワークスチームとしてのルノーのF1復帰を主導したシリル・アビテブールは、ルノー・グループの再編を受け、同社の管理職に昇進することが期待されていた。
しかし、シリル・アビテブールはルノーを完全に離れ、戦略兼事業開発ディレクターのローラン・ロッシがアルピーヌF1のCEOに任命された。昨年末、ルノー・スポールの社長を務めてきたジェローム・ストールが退任し、F1チームを運営するルノー・スポール・レーシングは、アルピーヌ・レーシングへ商号変更していた。ローラン・ロッシは、ルノーのF1チームおよびモータースポーツ活動全体を監督し、ルノーのCEOであるルカ・デメオの直属となる。アルピーヌF1のチーム代表の役割を誰が引き継ぐかは明らかにはなっていないが、スズキMotoGPのチームマネージャーを辞任したダビデ・ブリビオ、もしくはチームのスポーティングディレクターを務めるマルチン・ブコウスキーが後任として名前が挙げられている。シリル・アビテブールは、ルノーを去ることについて、同社には自動車メーカーとして成長するための強力な基盤があると感じていると述べた。「長年にわたり、特に2016年以降のチームの再スタートおよび再建において、私のことを信頼してくれたルノー・グループに感謝したい」とシリル・アビテブールは述べた。「ここ数年で構築されたレーシングチームとフランスとイギリスのエンティティの強固な基盤、より経済的に持続可能なモデルに向けたスポーツの戦略的進化、そして、より最近のアルピーヌ・プロジェクトは、新たな意味とダイナミズム、あらゆる点で非常に細かい軌道を提供する」ルカ・デメオは「ルノーF1チームを2016年の最後から2番目の場所から昨シーズンの表彰台に導いたたゆまぬ関与に対して、シリルに心から感謝したい」と述べた。「2007年以来のF1での彼の注目に値する仕事は、今年の表彰台を勝ち取るための強力なチームと新しいアルピーヌF1チームのアイデンティティとともに我々が未来に目を向けることを可能にする」シリル・アビテブールは、大学卒業後にルノーに入社。2007年からF1チームで働き始め、2020年にエグゼクティブディレクターに昇進。2012年にはケータハムF1チームに入社し、2014年に撤退するまでチームプリンシパルを務めた。その後、マネージングディレクターとしてルノーF1チームに戻り、2016年にルノーがワークスチームとしてF1復帰する際に重要な役割を果たした。