ルノーは、2020年以降もワークスチームとしてのF1参戦を継続することを発表した。先週、ルノーの15%の株式を保有する最大株主であるフランス政府の経済財務相のブルーノ・ル・メアは、新型コロナウイルス危機の結果として、ルノーが“消滅”する可能性があると認め、ルノーに抜本的なコスト削減を求めたことから、F1撤退が噂された。
5月29日(金)、ルノーの暫定CEOであるクロチルド・デルボは、今後20億ユーロ(約2387億円)のコストを削減する取り組みの一環として、世界中で1万5000人の人員削減を実施することを発表。カルロス・ゴーンのカルロス・ゴーンの汚職スキャンダル、それに続く後任ティエリーボローの追放は、組織内にさらなる混乱をもたらした。これにより、F1チームに将来に焦点が当てられた。F1チームは過去数か月にわたってレビューを受けてきた。今年のコンコルド協定の終了のタイミングは、ルノーがF1での将来を再考する機会を与えたが、2021年にエンジンカスタマーがいなくなたことで、F1撤退の決定が容易になる可能性もあった。しかし、今週FIA(国際自動車連盟)によって正式に発表された2021年以降の予算上限の変更により、すべてのF1チームオーナーと投資家は、今後数年間のコストについてより明確なアイデアを得ることができた。2021年からF1に導入される予算上限は当初1億7500万ドル(約189億円)だったが、1億4500万ドル(約156億円)に引き下げることが決定。さらに2020年には1億4000万ドル(約150億円)、2023年〜2025年の間で1億3500万ドル(約145億円)まで引き下げられることが承認された。クロチルド・デルボは、予算上限の変更はルノーの決定にとって極めて重要だったとし、エンストンとヴィリー=シャティヨンをベースにしたワークスチームのF1参戦は継続すると明言した。クロチルド・デルボは「我々はF1への取り組みを継続することを正式に述べ、確認します」とアナリストとの談話で語った。「コスト制限に関する新レギュレーションの発表は我々にとって良いことです。多くのお金を費やす競合他社よりも、この分野への投資を少なくする必要があります」ルノーF1は、ダニエル・リカルドが2020年限りでチームを離れてマクラーレンに移籍することを決定。2021年にドライバーラインナップを変更して参戦する。先週、ルノーF1のチーム代表を務めるシリル・アビテブールは、チームがF1に留まることを望んでいると語っていた。「我々は70年代からF1に属している。我々はF1に忠実であり、楽しみにしている。私は自分たちのルーツに忠実でいることが重要だと思う」とシリル・アビテブールはコメント。「モータースポーツには独自の価値がり、貢献できることがある。だからこそ、我々は多くのマーケティング活動を信じているように、それがスポーツであり、テクノロジーのコアであることを除いても、我々はモースポーツを信じている」「それはレースであり、感情でもある。ルノーは感情を表現いている。したがって、それらのすべてが意味を持つ。そして、それこそが我々が何十年も携わってきた理由であり、今後も非常に長い間そうしていくつもりだ」