ルノーは、2021年に新しいF1レギュレーションが導入されるまでF1エンジンの開発を凍結するよう求めている。F1エンジン開発が凍結されれば、現在の4社のエンジンサプライヤーが新しいF1レギュレーションの準備に集中できるようになり、2021年のプロジェクトにすべてのリソースを投入することができる新規参入者が有利ではなくなる。
来週末のF1バーレーンGPではF1上層部によって将来のルールパッケージの提案がなされる予定となっているが、ルノーF1のマネージングディレクターを務めるシリル・アビテブールは、F1エンジン開発を“論理的かつ公正”に凍結することを望んでいると Autosport に語った。「我々がやりたくないことの1つは、2つのエンジンを変更して開発する負担を負うことだ」とシリル・アビテブールはコメント。「ルノーとしての重要なメッセージと位置づけとして基本的に2つのことがある。1つはレギュレーションにコミットする前により多くな全体像を理解する必要があるということだ」「そして、2つ目は同時に2つのエンジンに並行して取り組むことは、容認可能あるいは持続可能なことだとは思っていないということだ」「我々は新規参入者を望んではいるが、単純な理由として、彼らには現在とカスタマーについて心配するる必要がなく、将来に焦点を当てることができるという点で素晴らしいアドバンテージがある」レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、FIA(国際自動車連盟)は、現在のエンジン形式の最後の2年間でエンジン性能の均等化を目指すべきだと考えている。「新しいルールができるのであれば、今のエンジンは凍結させなければならない。そして、すべてのエンジンは3%以内でなければならないというルールがあるはずだ」「そうすれば、我々は2020年まで持ちこたえることができる。誰もこのエンジンを開発する必要はない。それが進むべき方向だ」以前、F1は2007年シーズンの開幕時にエンジン仕様の凍結を導入し、2013年にV8エンジン時代が終了するまで継続されたが、特定の状況でFIAから許可を得れば変更することも可能だった。V6ハイブリッドの初年度となった2014年にもエンジン仕様は凍結されたが、2015年にそれは緩和され、現在では再び自由な開発が許可されている。レッドブル・レーシングのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、例えパワーレベルが均等化されたとしても、メルセデスとフェラーリのF1エンジンには燃費とそれに伴う燃料の重さという点で依然として優位性があると主張する。「メーカーが2021年の新しいエンジンに関わり、現在とその後で大きな開発コストを負担しないことを望むのであれば、理想的には燃料流量にBoP(Balance of Power)を導入することが理にかなっていると思う」とクリスチャン・ホーナーはコメント。「そうすれば、良い仕事をしたメーカーはアドバンテージを維持できるだろう。彼らは少ない燃料を使用し、軽いクルマでレースをスタートできる。より面白いレースを生み出すだろう」