ルノーにとって、フォーミュラEでの成功によって2015年を“失われた1年"にさせなかったとルノー・スポールF1のマネージングディレクターを務めるシリル・アビテブールは述べた。新しいV6パワーユニット時代が幕を開けた2014年に苦戦を強いられたルノーは、2015年はさらなる後退に苦しんでいる。
ワークスパートナーのレッドブルからの不満が絶えないこの状況に、ルノーのカルロス・ゴーンCEOは、F1からの完全撤退も否定していない。だが、フォーミュラEでは、アラン・プロストが携わるe.damsルノーがシリーズ初年の“チーム”タイトルを獲得した。シリウ・アビテブールは「ルノーはこの選手権の技術的部分の作成にも参加しており、とても良い立場にいる」と Le Figaro にコメント。「今年のF1では勝てないだろうが、フォーミュラEのおかげで失われた1年にはならない」 しかし、現在のところ、ルノーのF1での活動には暗雲が立ち込めている。 カルロス・ゴーンは、ワークスのルノーF1チームを作る可能性もあるとしているが、ルノーにとって確かなのはフォーミュラEへの参戦継続だけだと述べている。F1におけるルノーの将来の不確実性について、シリル・アビテブールは「F1にいるのであれば、それは最高レベルで戦うためだ」とコメント。「我々は現状に満足していないし、何よりも信頼性を達成した上でパフォーマンスを再び確立していくつもりだ。その後は、様々な選択肢がある」 「2009年にワークスチームをやめる決断を下したが、F1に通じるドアを閉めはしなかった。今日のルノーには独自チームがないため、トップチーム(のパートナー)が必要だ」 「レッドブルはシャシーのことになると決して出し惜しみをしないので、レッドブルとルノーの間の戦略的な関係が維持されない要素は何もないと引き続き考えている」 「合意に至ることができないままF1残留を望むことになれば、独自のチームを持つことがひとつのソリューションだが、今はまだまったく決断が下されていないというのが真実だ」 「だが、我々が願えば、我々には手段と専門知識はある」検討されている要素のひとつが、F1の高いコストとルノーブランドに与える価値の間のバランスだという。 「それが、我々が毎年見ている方程式だ。我々はF1がいかに進化しているかを定期的に振り返っている」「F1は今でも5億人の視聴者を惹きけるスポーツであり続けているし、我々にとって重要なマーケットにアピールすることを可能にする。我々はこれをブランド認知を築く上での最高の近道だと見ている」