マックス・フェルスタッペンの将来が不透明ななか、レッドブルのドライバー構想に新たな現実味が生まれている。アレクサンダー・アルボンの名前が、後任候補として再び取り沙汰されている。レギュレーション変更によってフェルスタッペンのモチベーションが揺らいでいる状況は、チームにとって無視できないリスクとなっている。来季も継続参戦する見通しは残るものの、レッドブルが代替プランを検討している可能性は高い。
アルボン浮上の背景にある“関係性”『The Race』のスコット・ミッチェル=マルムは、アルボンを外部候補のひとりとして挙げている。「内部から昇格させないのであれば、外部候補としてアレクサンダー・アルボンを挙げる」「ウィリアムズから離れる方向の“プッシュ要因”があるかもしれないし、レッドブルは短期的なステップアップであり、より大きなポテンシャルがあるという“プル要因”も存在する」アルボンは2019年にトロロッソ(現レーシングブルズ)からF1デビューを果たし、ルーキーシーズン途中でレッドブル昇格を果たした。しかし18カ月でシートを失い、その後は2022年にウィリアムズで復帰している。そのキャリアの文脈を踏まえると、今回の浮上は単なる実力評価だけでは説明できない側面を持つ。ヨウィディヤ家との結びつきが鍵ミッチェル=マルムは、アルボンとレッドブルのオーナー陣との関係性にも言及している。「個人的には、レッドブルのタイ側オーナーとの間に強いつながりがある。アルボンは今でもヨウィディヤ家と半ば定期的に会っており、非常に良好な関係を築いていると考えている」「彼自身、そこにやり残した仕事があると見ているはずだ。現時点でレッドブルが必要とするドライバー像にも合致している」チーム株式の約半分を保有するヨウィディヤ家とのパイプは、通常のドライバー選考とは異なる影響力を持つ可能性がある。アルボンの名前が現実的な選択肢として語られる背景には、この構造がある。フェルスタッペンの将来と“つなぎ役”の現実フェルスタッペンはレギュレーション変更によって情熱を削がれ、引退の可能性も示唆している。一方で、完全離脱ではなく、レッドブル・ファミリー内に残りながら将来的な復帰を視野に入れるシナリオも取り沙汰されている。この前提に立てば、チームが必要とするのは長期的なエースではなく、柔軟に扱える“つなぎ役”となる。「私は、もしフェルスタッペンが離れたとしても、彼はいずれ戻ってくるという考えに固執している。1年後にマックスを取り戻せるのであれば、長期の大型契約でトップドライバーを獲得することはしないはずだ」「代わりに、必要に応じて外したり配置転換したりできるようなドライバーと契約するだろう」130戦の経験を持つアルボンは、この条件に合致する存在として位置づけられている。「アルボンにとっては賭けになるが、チームが完全な競争力を取り戻すまでにあと2〜3年かかるプロジェクトだと考えるなら、9位か7位かを左右するだけのメガスターに3000万〜4000万ポンドを支払うべきではないと思う」本命は内部昇格 リンドブラッドの台頭もっとも、レッドブルの基本方針は内部昇格にある。ミッチェル=マルムもその前提は変わらないとみている。「私の直感では内部昇格になるだろう」「そしてローソンよりもリンドブラッドを選ぶと思う。ローソンの起用はすでに試されているし、その決定を下した人々が今はいなかったとしてもだ」アービッド・リンドブラッドはデビュー戦で8位入賞を果たし、すでに2度のQ3進出を記録するなど急速に評価を高めている。「もしシーズン前半を通じてリンドブラッドの軌道がこのまま有望であれば、2027年にはハジャーとリンドブラッドのコンビが実現する可能性がある」フェルスタッペンの去就が不透明ななかで、レッドブルは短期と長期の両軸で選択肢を整理している。その中でアルボンは、現実的な中間解として静かに存在感を強めている。