レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースは、マックス・フェルスタッペンのタイトル戦線復活について「F1史上でも特別なものを目撃している」と語った。夏休み明けのオランダGPでオスカー・ピアストリに104ポイント差をつけられていたフェルスタッペンは、その後の快進撃でアメリカGP終了時点でその差をわずか40ポイントにまで縮めた。直近5戦で133点中119点を獲得し、タイトル争いは再び白熱している。
ローラン・メキース「マックスは我々を驚かせ続けている」フェルスタッペンはオランダGP以降、モンツァとアゼルバイジャンで勝利、シンガポールで2位、そしてアメリカGPではスプリントと決勝のダブルウィンを飾った。レッドブルの代表メキースは「歴史を作る瞬間を見ている」と称えた。「マックスの走りを見るということは、まさに歴史が作られる瞬間を目撃することだ。彼は走るたびに我々を驚かせる。セッションごとにどれだけ我々をプッシュし、どれほどの感覚を持っているか、信じられないほどだ」とメキースはアメリカGP後に語った。「彼が何を見ているのか、我々が見えていない部分まで感じ取っている。彼の走りは、まさに“歴史の現在進行形”だ」レッドブル復活の裏にある“リスクを恐れない姿勢”サマーブレイク明け以降、レッドブルRB21のパフォーマンスは劇的に改善。アメリカGPでは高温・高摩耗の難条件のなか、フェルスタッペンが他を圧倒した。「ここ数年で最も強力な週末だったと思う。灼熱のコンディションは過去に苦戦してきたが、今回は違った」とメキース。「金曜は接戦だったが、土曜から日曜にかけて支配的な速さを見せた。チーム全体がリスクを取り、あらゆる要素を試した結果だ。週末を通して学び続け、最終的に最大限のパフォーマンスを引き出せた」「我々は大きな数字(ポイント差)を見ていない。1回のセッションごとに何を学べるか、それだけを見ている。次のメキシコでも同じ姿勢を貫く」角田裕毅の上昇とチーム全体の一体感今回のレースでは角田裕毅も7位入賞を果たし、前戦バクーの6位に続いて連続入賞を達成。メキースはこれをチーム全体の前進の証だと捉えている。「我々はマックス、マシン、チームを分けて考えていない。それは1つのプロジェクトだ。マックスは外側から見ているのではなく、まさに中心にいる」「今の我々は支配的ではないが、シーズン前半の差をかなり埋められた。まだ改善できる点も多いが、全員が挑戦し続けている。ファクトリーの1500人が少しずつタイムを削り出している。その積み重ねが今の結果を生んでいる」「今は4チームが勝利を争うフェーズ」メキースは、マクラーレンの優位性はすでに消えつつあると強調した。「今や我々は同じレベルにいる。以前は1周あたり0.5秒も離されていたが、それはもうない。いまや週末ごとに3〜4チームが勝利を狙える状況だ」「残りの5戦は、サーキット特性、気温、タイヤ、そして条件に最も合ったチームが勝つだろう。誰も支配的ではない」総括:フェルスタッペンとレッドブルの“共鳴”が生む復活劇フェルスタッペンの覚醒とレッドブルの再浮上は、マシン性能の回復だけでは説明できない。ドライバーの精密なフィードバックとチームのリスクを恐れぬ開発判断が、完全に噛み合っている。メキースの言葉通り、今のフェルスタッペンは「歴史を作る存在」だ。勢いを取り戻したRB21とともに、タイトル争いは再び燃え上がっている。
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