レッドブル・レーシングは、FIA競技委員から「オフィシャルの指示に従わなかった」として5万ユーロ(約820万円)の罰金処分を受けた。そのうち2万5000ユーロは2025年シーズン残り期間中、同様の違反がなければ執行猶予となる。調査によると、チーム関係者の一人がフォーメーションラップ開始後、2番グリッド付近の「ゲート1」エリア内へ再び侵入したという。この時点でピットマーシャルはゲートを閉じる作業を始めており、当該人物はマーシャルによる制止の試みに反応しなかったと報告されている。
聴聞会でレッドブル側は「チームメンバーは制止の意図に気づかなかった」と説明したが、スチュワードは「グリッドがクリアされた後にトラックへ入る、または安全措置を妨げる行為は絶対に許されない」と判断した。そのうえで、「本人が指示を認識していたか否かに関わらず、ゲート閉鎖を妨げる行為は安全上の重大なリスクであり、チームとしての重大な過失」と結論づけ、罰金を科す決定を下した。安全運営の徹底を求めるFIAの姿勢今回の件は、FIAがスタート前の安全管理手順を厳格に運用していることを示す一例となった。フォーメーションラップ中にピットレーンやゲートエリアへの立ち入りは、競技の進行を妨げるだけでなく、関係者の安全にも関わる。処分のうち半額が執行猶予とされたのは、レッドブル側が即座に協力姿勢を見せた点を考慮したものとみられるが、再発防止を求める警告としての意味合いが強い。FIAはこのような行為を再び確認した場合、即座に全額の罰金が適用されることを明記している。今季もピットレーンやスタート手順に関する安全規定違反は複数件報告されており、運営側はチームや関係者に対して「いかなる小さな手順違反も安全リスクとして扱う」姿勢を改めて示した形だ。
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