レッドブル・レーシングは以前からRB21が極めて狭いセットアップウインドウ内でしか機能しないと認めてきたが、今回のハンガリーはその最悪の例だったとチーム代表ローラン・メキースは述べた。ブダペストでは、マックス・フェルスタッペンが9位に沈む一方、レーシングブルズのリアム・ローソンは曲がりくねったハンガロリンクでマシンの安定性を生かし、8位入賞を果たした。
この対照的な結果から、レッドブルがレーシングブルズのVCARB 02の要素を取り入れる可能性が憶測されたが、メキースはそれを否定した。メキースによれば、レッドブルのハンガリーでの苦戦は最初のセッションから明らかだったという。ハンガリーで露呈したRB21の弱点「FP1の最初のラップからそうだった。我々は互いに顔を見合わせて、どうなっているんだ?と言った」と彼は振り返った。「低速でも中速でも、我々はとにかくすごく遅かった。それは、バランスの問題とは言えないようなものだった」「マシンを正しいウインドウに入れることができず、タイヤを作動させられなかった。FP1では時々そういうことはあるが、ここまでの規模ではなかった」試行錯誤も実らずチームはマックス・フェルスタッペンと角田裕毅の両方のマシンで複数のセットアップ変更を試みたが、何も効果がなかった。「良かったのは、両方のマシンで異なることを試そうと、みんなが本当に取り組んだことだ」とメキースは語った。「だが何の違いも出なかった。タイヤを作動させられなかった」「ロングラン、ショートラン、時には運や実力で正しいウインドウに入ることもあるが、それは最後まで起きなかった。予選でも同じだった」「もちろん、自分たちのベストサンプルを見れば、それは良かったと言えることもある。しかし真実は、平均してみれば最後まで改善しなかったということだ」極端に狭いウインドウ、そして最悪の形「今年はウインドウが狭い、時には非常に狭いと話してきたが、今回はそれ以上だった」とメキースは言う。「今回は本当にマシンを走らせられなかった」フェルスタッペンでさえ、基本的に協調しないマシンからパフォーマンスを引き出すことはほとんどできなかった。「彼はマシンが機能しているときと、そうでないときを知っている。それは大きなアドバンテージだ」とメキースはフェルスタッペンについて述べた。「そして今回のようにバランスの問題ではなく、ここで得られるべきグリップレベルを見つけるのに苦労しているという状況では、彼は間違いなく大きな助けになった」レーシングブルズからの助けはなし一方で、姉妹チームであるレーシングブルズからの助けは期待できないとメキースは明言した。リアム・ローソンがサテライントチームで印象的な8位フィニッシュを果たしたが、レッドブルRB21とレーシングブルズVCARB 02は即座に技術的な共有ができるほど似てはいない。「質問としては正しいと思うが、マシンの成り立ちがある。マシンがどこから来ているかはあまりにも違いすぎて、一方のマシンからもう一方に何かを移すことはできない。これが今のF1だ」「10の独立したチームがそれぞれ、マシンをどう開発するか、途中でどんな困難に直面したか、それによってどんな開発経路をたどったかという、自分たちのアイデアを持っている。そして、他のマシンから持ってこられるようなものは何もない。それは本当に初期の段階からの開発のされ方にかかっている」解決策は内部にしかないかつての支配的な地位から転落しつつあるチームは、容易な解決策も姉妹チームとの相乗効果もない、開発の行き止まりに直面している。RB21は独自のマシンであり、現状ではフェルスタッペンの卓越した才能でも常に乗りこなすことはできない。
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