2025年F1第14戦ハンガリーGPで、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが姉妹チームのレーシングブルズに所属するリアム・ローソンに敗れる波乱の展開となった。フェルスタッペンは2ストップ戦略も実らず9位でフィニッシュ。1ストップで8位を守り切ったローソンに、純粋なレースペースと判断力で敗れるかたちとなった。
レース中盤、フェルスタッペンはハードタイヤでの1ストップを断念して2度目のピットストップを行ったが、そこからの巻き返しは叶わず。終盤は渋滞に巻き込まれ、ポイント圏内に留まるのが精一杯だった。一方のローソンは冷静にタイヤを持たせ、ブルーフラッグ処理の場面でも隙を見せず、上位陣に対しても戦略的に巧みな走りを披露した。最終的にフェルスタッペンはローソンに3.5秒遅れでゴール。レッドブルのエースドライバーがジュニアチームのルーキーに純粋な競争で敗れた事実は、チームの技術的・戦略的失速を象徴していた。この結果は、単なる1ポイント差以上の意味を持つ。2023年以降F1を支配してきたフェルスタッペンにとって、レッドブルRB21の競争力低下が明確に浮き彫りとなる象徴的なレースだった。特に、ジュニアチームの若手ドライバーに実力で敗北したことは、チームの開発停滞とセットアップ方向性の迷走を示唆している。レッドブルはこれまで金曜の不調を土曜に取り戻す「夜間作業力」で知られてきたが、今回はその修正も機能せず。RB21は「氷の上を走っているようだった」とフェルスタッペンも無線で嘆いており、限界まで引き出しても戦闘力が伴わない状況が続いている。もう一人のレッドブル勢、角田裕毅は16番グリッドから2ストップ戦略で臨んだが、終始トラフィックに阻まれたほか、終盤にはヒュルケンベルグとの接触も調査対象となるなど、苦しい展開に。最終的に17位でフィニッシュしたが、チームメイトのフェルスタッペン同様、マシンの不調を覆すことはできなかった。対照的に、レーシングブルズのルーキー、アイザック・ハジャーは堅実な1ストップで11位に入り、角田裕毅に対して約39.3秒のギャップを築いた。レッドブル勢の両名がジュニアチームの2人に後れを取る形となり、体制の再構築が急務であることを浮き彫りにした。クリスチャン・ホーナーが解任され、ローラン・メキースが率いるレッドブル・レーシングにとって、ジュニアチームの堅実な結果とシニアチームの停滞という構図は、体制変更後の転換点を突きつけられる結果となった。2025年F1ハンガリーGP 決勝 結果・タイムシート順位NoドライバーチームGAPINTPOSPIT14ランド・ノリスマクラーレン ↑ 21281オスカー・ピアストリマクラーレン0.6980.698- 02363ジョージ・ラッセルメルセデス21.92621.218↑ 12416シャルル・ルクレールフェラーリ42.56020.644↓ 32514フェルナンド・アロンソアストンマーティン59.04016.480- 01698ガブリエル・ボルトレトザウバー66.1697.129↑ 11718ランス・ストロールアストンマーティン68.1742.005↓ 11855リアム・ローソンレーシングブルズ69.1451.277↑ 1191マックス・フェルスタッペンレッドブル72.6453.194↓ 121012アンドレア・キミ・アントネッリメルセデス1L17.208↑ 51116アイザック・ハジャーレーシングブルズ1L0.851↓ 111244ルイス・ハミルトンフェラーリ1L1.361- 011327ニコ・ヒュルケンベルグザウバー1L21.407↑ 521430カルロス・サインツJr.ウィリアムズ1L2.058↓ 121523アレクサンダー・アルボンウィリアムズ1L4.785↓ 421631エステバン・オコンハース1L7.147↑ 111722角田裕毅レッドブル1L1.685↑ 321843フランコ・コラピントアルピーヌ1L0.427↓ 421910ピエール・ガスリーアルピーヌ1L8.974↓ 31DNF87オリバー・ベアマンハース ↓ 92