F1界を震撼させたクリスチャン・ホーナーのレッドブル解任。この一件は、いまやF1の世界では何が起きても不思議ではないことを如実に示している。そんな中、英メディアCrash.netは「次に起こり得る5つの爆弾」を大胆予想。水面下で進行する数々の動きやうわさを踏まえ、今後12カ月以内にF1界を揺るがすかもしれない展開を読み解いている。以下にその内容を紹介する。
1. フェルスタッペン、F1引退を決断?2025年のF1界で最も話題となっているのが、マックス・フェルスタッペンの去就問題だ。4度のワールドチャンピオンに輝いた彼は、メルセデスへの電撃移籍が囁かれている。特に、イギリスGPとベルギーGPの2週間のインターバル中に、フェルスタッペンとメルセデス代表トト・ヴォルフが同じ休暇地に滞在していたとの報道が、憶測を一層加熱させた。レッドブルが戦闘力に苦しんでいる今、フェルスタッペンが他のオプションを模索するのは自然な流れだ。2026年に向けてメルセデスの両ドライバー(ラッセルとアントネッリ)は契約を結んでいないため、移籍の余地はある。仮にメルセデスがフェルスタッペンを起用しない場合、あるいはヴォルフが現ドライバー陣に忠誠を誓う場合、フェルスタッペンが「2026年のF1サバティカル(休養)」を選択する可能性もある。この1年間でF1界の勢力図を見極めた上で、2027年にベストなチームと契約するという戦略だ。アストンマーティンやフェラーリも引き続き彼に関心を寄せており、ルイス・ハミルトンが年齢的に後継を必要とするタイミングでもある。さらに、マクラーレンでのノリスとピアストリの関係もどうなるかは不透明だ。どの選択肢を取るにしても、フェルスタッペンの決断はスポーツ界を揺るがす。2. ラッセル、レッドブルへ移籍フェルスタッペンがメルセデスに加入すれば、ラッセルがシートを失う可能性がある。その場合、空いたレッドブルのエースの座を埋める存在として、ラッセルは極めて有力な候補だ。2025年のラッセルは非常に安定感があり、W16から最大限のパフォーマンスを引き出し続けている。現在のグリッドでも屈指のドライバーと評価されており、レッドブルが欲しがるのも無理はない。ラッセルは2017年末からメルセデスの育成に属してきただけに、レッドブルのマシンに乗る姿は非常に異様に映るかもしれない。とはいえ、フェルスタッペン離脱後のレッドブルが、トップレベルのドライバーなしで戦う状況に陥るリスクを考えれば、ラッセル獲得は理にかなっている。3. ホーナー、F1に電撃復帰クリスチャン・ホーナーは、F1史に残る名チーム代表の1人だ。その功績は決して過小評価できない。スキャンダルがなければ、フェラーリでの復帰すらあり得たとさえ言われていた。実際、過去10年にわたり、フェラーリはホーナーに対して関心を示していた。だが現状、その可能性はほぼ消滅している。ただし、フラビオ・ブリアトーレと手を組むという筋書きは浮上している。ルノー(アルピーヌ)のF1参戦継続が不透明な今、チーム買収の形で復帰するというシナリオも十分現実的だ。ホーナーが自らの権限と自由を手に入れ、新たなプロジェクトに取り組む可能性は十分ある。4. ミック・シューマッハ、F1復帰2022年末にハースを離脱して以来、F1復帰を果たせていないミック・シューマッハ。しかし彼自身は今もF1復帰を諦めていない。最大のチャンスと目されているのが、2026年に参戦を開始するキャデラックだ。現在はアルピーヌからWECに参戦しているミックだが、かつてハース時代にはケビン・マグヌッセンとの直接対決で勝ち越した経験もある。とはいえ、キャデラックは他にも多くの有力候補を抱えている。バルテリ・ボッタスやセルジオ・ペレスといった実績・スピードを兼ね備えたベテランたちと比べると、シューマッハにとっては厳しい競争になるだろう。5. アルピーヌ、F1撤退の可能性ブリアトーレの復帰に伴い、ルノーのF1プロジェクトは新たな局面に突入している。エンジン部門を閉鎖し、2026年からメルセデスのカスタマーとなることが発表されたばかりだが、現状のパフォーマンスは低迷しており、親会社ルノーが早期撤退を決断する可能性も否定できない。F1人気が高まっている今、アルピーヌの売却先を見つけるのは難しくないだろう。元アルピーヌ代表のオトマー・サフナウアーは、F1参戦を目指す新グループの中心人物として名前が挙がっている。仮にホーナーがF1チームのオーナーとして再始動を図るなら、アルピーヌ買収は願ってもない好機となる。「やり残した仕事」があると感じるなら、彼にとって最高の復活劇となるだろう。