2025年F1マイアミGP決勝後、レッドブル・レーシングが提出したジョージ・ラッセル(メルセデス)に対する抗議は、FIAスチュワードによって棄却された。この決定により、ラッセルの3位フィニッシュと、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の4位という結果に変更はない。レッドブルは、ラッセルがバーチャル・セーフティカー(VSC)下で掲示されたイエローフラッグ中に減速義務を十分に果たしていなかったと主張していた。
もしこの抗議が認められていれば、ラッセルにはペナルティが科され、フェルスタッペンが3位に繰り上がる可能性があった。実際、フェルスタッペンはラッセルから2.3秒差でフィニッシュしていた。VSCは、ハースのオリバー・ベアマンがエンジントラブルでストップした際に初めて導入され、ラッセルはこのタイミングでピットインし、フェルスタッペンの前でコースに復帰。その後、ザウバーのガブリエル・ボルトレトもマシントラブルでストップし、再びVSCが導入されたが、このときフェルスタッペンは無線で「ジョージが減速したか確認して。イエローだった」とチームに伝えていた。レース後、レッドブルは正式に抗議を提出。これに対してFIAのスチュワードは、両チームからの説明を聞いた上で、ラッセルの行動は規定違反には当たらないと判断した。レッドブル代表のクリスチャン・ホーナーは抗議理由について「レギュレーションに違反していると判断したため、抗議を提出した」と説明し、続けて「規則には『減速』と明記されている。『スロットルを戻す』ことではなく、『速度を落とす』ことが求められている。我々は明確にそれを行ったし、マックスもコックピットからそれを見てすぐに報告している」と語った。ラッセルはマイアミでフェルスタッペンを僅差で上回ってフィニッシュしたしかし、スチュワードが公表した裁定文によれば、レッドブル側もラッセルがスロットルを戻していたことは認めており、その上で「十分に減速していなかった」と主張していた。一方でスチュワードは、「イエローフラッグ区間における『減速』が絶対速度を指すのか、それともその区間における通常のレーシングスピードと比較した相対速度なのか、レギュレーション上明確ではない」と指摘。その上で「63号車(ラッセル)は当該区間において通常よりも明確に遅かった」として、レッドブルの抗議は「根拠がない」と結論づけた。この結果、マイアミGPでの順位は変更されず、フェルスタッペンは4位のまま、ドライバーズランキングではラッセルに対して6ポイント差を維持している。
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