著名なF1デザイナーであるエイドリアン・ニューウェイが、フェルナンド・アロンソやルイス・ハミルトンと仕事ができたら「素晴らしかった」だろうと語り、さらにフェラーリに移籍する可能性もあったと語った。2023年のコンストラクターズチャンピオンに輝いたばかりのレッドブル・レーシングのチーフテクニカルオフィサーであるニューウェイは、フェラーリからのアプローチを3度断っている。
スクーデリアで働けなかったことは、F1王者アロンソやメルセデスのライバルであるハミルトンのためにマシンをデザインするチャンスを得られなかったことと同様に「感情的」に後悔を残しているという。F1公式ポッドキャスト『Beyond The Grid』に出演したニューウェイは、フェラーリから求婚されたときのことを明かした。「インディカー時代にフェラーリからアプローチされたのはおそらくカウントされていないだろうが、93年、そして有名なのは2014年だった。93年はとても魅力的だった」とニューウェイは語った。「ジャン・トッド(チーム代表)がスタートしたばかりだったので、私は降りた。彼がミハエル(シューマッハ)を雇うべきかどうかについて話していたのを覚えている。『それは良い考えだったと思うか?』とね」新婚のニューウェイは、イギリスとアメリカのマーチのために時間を割いて働いていたことで、以前の結婚が破談になったことを理由にこのオファーを断った。ポッドキャストの司会者であるトム・クラークソンから、フェラーリがギルドフォードに遠隔地に施設を設立することをチームに説得したデザイナーのジョン・バーナードに許可したセットアップならば同意したか尋ねられたニューウェイは「私はそんな要求をしたことはないし、信じていない。やるなら、フェラーリはイタリアのチームだ」と語った。「レースチームとはまったく別の場所にR&Dセンターを持つというアイデアは、我々の姉妹チーム(アルファタウリ/イタリアのファエンツァとイギリスのビスターに分かれている)にそのようなチームがあることは知っているが、私はそのコンセプトを信じていない」1.6リッターターボ・ハイブリッド時代の幕開けとなった2014年にフェラーリがアプローチしてきたとき、ニューウェイはレッドブルで満足していたが、エンジンサプライヤーのルノーの態度に退団を考えたという。「2014年にフェラーリと私が話し合いをしたのは、純粋にフラストレーションからだった」とニューウェイは続けた。「本当に辞めたくなかったが、ルノーが競争力のあるターボハイブリッドエンジンを生産していない状況に我々はいた。「新しいルールの最初の年には起こるものだ。だってミスはする」「しかし、我々は、クリスチャン(ホーナー)、ヘルムート(マルコ)、そして私でカルロス・ゴーン(失脚したルノーの元CEO)に会いに行き、彼に予算を増やすよう圧力をかけようとした」「ゴーンの返事は『F1にはまったく興味がない。マーケティング担当者がそうすべきだと言うからそうしているだけだ』というものだった。憂鬱な気分にさせられたよ」ニューウェイは、フェラーリに入らなかったことに感情的な色合いがあったことを認めた上で、ハミルトンやアロンソと仕事をする機会も欲しかったと述べた。マラネッロの誘いを断ったことを後悔しているかと聞かれ、ニューウェイは「感情的には、ある程度はあるかもしれない。そうだね」と答えた。「でも、たとえばフェルナンドやルイスと一緒に仕事ができたら素晴らしいかっただろう。だが、それは決して起こらなかった。単に状況がそうだっただけであり、それが現実だ」