スクーデリア・アルファタウリは、長期的安定と継続のためチームの体制を一新することを発表した。元FIA幹部ピーター・バイエルがチーフ・エグゼグティブ・オフィサー(最高経営責任者)として2023年末にチームに加わり、フランツ・トストが2023シーズンを持ってチームプリンシパルを辞任することになった。
また、トストの後任には現在フェラーリでスポーティングディレクターを務めているローラン・メキース氏が就任します。正式な就任日は後日発表される。スクーデリア・アルファタウリとその前身のスクーデリア・トロ・ロッソの成長において重要な役割を果たしてきたフランツ・トストは、チームが創設された2005年にチームプリンシパルに就任してトロ・ロッソを率いると、2008シーズンにホームのイタリアGPで初優勝をもたらした。また、アルファタウリ移行後もトストは2020シーズンのモンツァでチームに2勝目をもたらした。チームが未来のF1で成功を収めるべく若手ドライバーの育成に積極的に取り組んでいく中、トストはのちにGPウィナーとワールドチャンピオンになるドライバーの成長にも力を貸した。その中にはワールドチャンピオン4回のセバスチャン・ベッテル、ワールドチャンピオン2回のマックス・フェルスタッペン、GP優勝経験を持つダニエル・リカルド、ピエール・ガスリー、カルロス・サインツが含まれる。チームとドライバーへの長年の貢献が認められているトストは2024シーズンもコンサルタントとしてチームに関わっていく予定。新CEOとしてスクーデリア・アルファタウリに加わるピーター・バイエルは、FIAでF1エクゼクティブ・ディレクターやモータースポーツ事務総長を歴任してきた。バイエルはファエンツァと英国のオフィスからチームの経営を戦略的に統括する。ローラン・メキースのスクーデリア・アルファタウリのチームプリンシパル就任は、フェラーリ現スポーティング・ディレクターである彼がキャリア序盤で多くの成功を収めたチームに戻ることを意味する。メキースはレースエンジニアとしてチームに加入したあと、チーフエンジニアとビークルパフォーマンス部門トップを歴任した。その後、チームを離れたメキースはFIAに4年間所属してセーフティ・ディレクターと副レース・ディレクターを担当したあと、2018年にフェラーリに加入した。メキースがテクノロジー、製造、サポート、レースチーム運営を含むチームの日常業務を進め、バイエルが全体的な戦略を統括する新体制では、2人が同等の責任を負いながら新しくてダイナミックなリーダーシップを発揮していくことになる。フランツ・トスト(スクーデリア・アルファタウリ現チームプリンシパル)「最初に、18年間に渡りスクーデリア・トロ・ロッソとスクーデリア・アルファタウリのチームプリンシパルを務めるチャンスを与えてくれた故ディートリッヒ・マテシッツ氏に感謝します。ここまでの長期間、チームを率いることができたことを心の底から光栄に感じております。また、やる気とスキルを備えており、F1への情熱を私と共有している多くの人たちと働くことができたのは大きな喜びでした。67歳ですのでこの役職を離れるときが来たと思います。新CEOのピーター・バイエル氏と新チームプリンシパルのローラン・メキース氏は非常にプロフェッショナルですので、チームをネクストレベルへと高めてくれるでしょう。この場を借りて皆さんのこれまでのご厚意とご協力に感謝します」ローラン・メキース(スクーデリア・アルファタウリ新チームプリンシパル)「最初に、ファエンツァで約20年に渡りチームを率いて素晴らしい仕事をしてきたフランツ・トスト氏を讃えたいと思います。彼の今後の活躍を祈っておりますし、ピーターと私が彼に意見やアドバイスを求めるときは必ず訪れるでしょう。今後についてですが、チームプリンシパルに就任してキャリア前半の多くを過ごしたチームに戻れることを光栄に思います。スクーデリア・アルファタウリにはより大きな成功を収めるために必要な条件が揃っていますので、ピーターと協力しながらそのような成功を手に入れることを楽しみにしています」ピーター・バイエル(スクーデリア・アルファタウリ新CEO)「私からもスクーデリア・アルファタウリとその前身のスクーデリア・トロ・ロッソへのフランツ・トスト氏の多大な貢献に謝意を述べたいと思います。彼の若手ドライバーの育成に対するコミットメントは、彼の指導を受けた経験があるドライバーが現F1グリッドの25%を占めているという結果に繋がっています。チームのCEOとなり、ローランと一緒に仕事ができることは私にとって大きな栄誉です。スクーデリア・アルファタウリは素晴らしい人材が集まっていますし、ファエンツァと英国に見事なインフラを備えています。これらの条件を活用してサーキット内外でのパフォーマンスを高め、チームにさらなる成功をもたらすことを楽しみにしています」オリバー・ミンツラフ氏(レッドブル 企業プロジェクト・投資部門最高責任者)「始めに、スクーデリア・アルファタウリとスクーデリア・トロ・ロッソで18年間に渡り激務をこなしてきたフランツ・トスト氏に感謝の意を表します。フランツは “マシンとドライバーからより多くのパフォーマンスを引き出す” というたったひとつの信念に支えられて仕事を進めてきました。彼のリーダーシップは素晴らしい勝利とF1最高クラスのタレントの育成に繋がりました。辞任する彼の後任を見つける作業は簡単ではなく、結果的にチームの経営構造を一新することになりました。その結果、ピーター・バイエル氏をCEO、ローラン・メキース氏をチームプリンシパルに迎えられることを大変嬉しく思っております。両氏はF1シーンでトップの地位についた経験がありますので、協力してスクーデリア・アルファタウリをさらなる高みへと導いてくれることを確信しております」