レッドブルF1のモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、角田裕毅は“日本人初のF1ワールドチャンピオン”への期待にまったく悩まされてはいないと語る。7年ぶりの日本人F1ドライバーとなった角田裕毅は、F1バーレーンGPの予選Q1でアルファタウリ・ホンダのF1マシンで2番手タイムを記録する衝撃デビューを果たし、決勝では9位入賞を果たし、デビュー戦でポイントを獲得した初めての日本人ドライバーとなった。
F1のマネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは角田裕毅を“F1史上最高のルーキー”と評価し、チームメイトのピエール・ガスリーも“非常に印象的”だと舌を巻く。レッドブルF1の幹部であるヘルムート・マルコやアルファタウリ・ホンダのF1チーム代表を務めるフランツ・トストは“将来のF1ワールドチャンピオン”だと期待しているが、角田裕毅はそういった称賛やそれに伴うプレッシャーにまったく悩まされていない。ヘルムート・マルコは、20歳の角田裕毅の“マシンを飛ぶように速く走らせる”才能を称賛した。「それに彼は全体的に小さな外見でカリスマ性があり、面白い男だ」とヘルムート・マルコは Formula1.de に語った。「彼はF1に対して非常に前向きだと思う。彼がいることをとてもうれしく思う」ヘルムート・マルコは、角田裕毅は「これらすべての発言をまったく負担に感じていない」と続けた。「彼は信じられないほどの自信を持っている。彼は最速であること、トップを走ることにしか興味がない」F1バーレーンGPで9位入賞を果たした角田裕毅は、デビュー戦でポイントを獲得した最初の日本人ドライバーであり、F1全体でもそれを達成したドライバーとして65人目となる。専門家たちは、一時は角田裕毅をエンジンサプライヤーであるホンダのバーターという見方さえしていた。しかし、衝撃的なF1デビューを受け、角田裕毅はレッドブルの将来を背負って立つジュニアドライバーとして認識され、2022年、もしくはレッドブル・レーシングがセルジオ・ペレスを2年目も保持することを選択した場合には2023年にトップチームに昇格する可能性に期待さえしている。ヘルムート・マルコは、角田裕毅を取り巻くメディアの反応はかなり面白いと感じていると語る。「昨年は角田と発音することさえできなかったし、シューマッハのことしか話していなかった」とヘルムート・マルコは語った。「そして今、突然、彼は来年のレッドブル・レーシングにいることになっている!」では、実際に角田裕毅が2022年にレッドブル・レーシングのドライバーを務める可能性はあるのかと質問されたヘルムート・マルコは「成り行きを見守ってみようではないか」とコメント。「23レースのうち最初のレースを終えただけだ。彼がどのように成長するか見てみよう」レッドブル・レーシングは、過去にダニール・クビアト、ピエール・ガスリー、アレクサンダー・アルボンといったドライバーをジュニアチームからトップチームに昇格させたが、マックス・フェルスタッペンという絶対的なドライバーの登場によって、どのチームメイトも実力を発揮できずに降格させられている。ヘルムート・マルコは「我々は最初から彼が信じられないほどのダイヤモンドの原石であることを分かっていた。それを燃やしてしまうようなことはしたくない」とコメント。「彼の成長を見て、適切な時期に決定を下す」