レッドブル・ホンダF1 「メルセデスはストレートで0.4秒速かった」

ヘルムート・マルコは、第1戦と第2戦との間に追加されたパーツについて「空力パーツの柔軟性に不要な問題があり、ダウンフォースに大きな影響を及ぼしていた」と Motorsport-Magazin.com に説明する。第2戦F1シュタイアーマルクGPにむけてレッドブル・ホンダF1は、その不要な柔軟性を解決することができたが、メルセデスF1にさらに遅れをとった。メルセデスF1の両ドライバーは早い段階から縁石を避け、マシンを保護しながら走っていた。「ルイスは全力では走っていなかった」とヘルムート・マルコは語る。「我々はコーナーでは戦えるレベルにいた。いくつかのコーナーでは我々の方が速かったが、それ以外のコーナーでは同等な速さか少し劣っていた」開幕2戦ではメルセデスF1は高速コーナー、レッドブル・ホンダF1は低速コーナーで優れているという結論が出た。「我々はレース中にストレートで0.4秒を失っていた」とヘルムート・マルコは語る。最初の週末にはストレートでの差はそれほど劇的ではなかった。ヘルムート・マルコは気温をその理由として疑っている。第1戦は30度前後まで上昇したが、第2戦では10度低かった。「20～22度の外気温によって、メルセデスはフルパワーで走ることができた。昨年からのパフォーマンスの飛躍的な進歩は驚くべきものだった。彼らが達成したものは素晴らしいものだ。それはホンダF1と我々を驚かせた」メルセデスとホンダのF1エンジンの予想外の大きなギャップは、挑戦者であるレッドブル・ホンダF1にとっては朗報ではない。2020年のF1世界選手権ではパワーユニットの大部分が凍結されるからだ。ヘルムート・マルコにとって解決策はひとつしかない。「もっと多くのリスクをとることだ」ハードウェア側でホンダが2020年にパフォーマンス差を埋めるためにできることはない。よりアグレッシブなエンジンセッティングで走らせることによって少なくともその一部を補うことはできる。だが、それはエンジンの耐久性に大きな負荷をかける。2020年のF1タイトル争いにおいて、レッドブル・ホンダF1はわずか2レースでメルセデスF1に大きな差をつけられた。過去2年間レッドブル・リンクで優勝していたマックス・フェルスタッペンは首位のバルテリ・ボッタスから28ポイント差をつけられている。「ホンダF1は新しいターボを使っている。近年、標高の高いサーキットで我々が持っていたアドバンテージはなくなっているようだ。しかし、この変更により、シーズンを通じて一貫性が高まっている」とヘルムート・マルコは語る。そして、ヘルムート・マルコは、まだ2020年のF1ワールドチャンピオン獲得という目標を決して諦めていない。「我々にはポテンシャルがある。我々は非常に優秀な人材を擁する大規模なチームです。十分な数のレースがあるが、メルセデスが設定した水準は高い。それには驚いが、私たちは戦い続ける」レッドブルは車体側でも開発を続けていかなければならない。「昨年より我々のマシンはチューニングが難しくなっており、マシンは運転がより難しくなっている」とヘルムート・マルコは認める。さらにはメルセデスF1にはDASという追加のツールがあるが、レッドブル・ホンダF1にはまだない。レッドブル・ホンダF1は、第1戦オーストリアGPの週末にDASは空力補助デバイスだとして抗議したが、実際にはタイヤの扱いに利点があると考えている。そして、FIAがDASを合法としたことにより、ミルトンキーンズのコンピューターは稼働している。「我々もDASを構築することを検討している。しかし、それには時間がかかるし、我々がそれを望む場合、ただ構築したいだけではなく、もっと良いものにした」とヘルムート・マルコは語る。「アドバンテージついてどの程度のものかは正確にはわからない。だが、不利な点もある。困難なシステムであり、重量も上がる」DASシステムは2kgの増量になると考えられている。レッドブル・ホンダF1が、秋までにすぐに使える独自バージョンを開発することは期待されていないが、ヘルムート・マルコは2021年に禁止になったとしても開発に成功する可能性があると考えている。「カレンダーはヨーロッパでのレースにむけてますますシフトしている。ドイツで10月にレースをすることになれば、通常気温は低くなる。そのアドバンテージはまだ我々に大きな影響を与える可能性がある」