レッドブル・レーシングのF1チーム代表クリスチャン・ホーナーは、新たなパワーユニットサプライヤーであるホンダとともにレースでの勝利、そして、選手権の優勝も不可能ではないと考えている。かつてルノーのF1エンジンでダブルタイトルを4連覇したレッドブル・レーシングだが、2014年にF1にV6ターボ“ハイブリッド”エンジンが導入されて以降、ルノーのF1パワーユニットは信頼性と競争力に欠け、両者の関係は悪化。昨シーズン限りで12年に及んだルノーとのパートナーシップに終止符を打った。
レッドブル・レーシングは、昨年、姉妹チームのスクーデリア・トロ・ロッソと組んでF1パワーユニットの信頼性とパフォーマンスを大幅に改善されたホンダのF1パワーユニットを搭載することを決断。ルノーとのカスタマー供給とは異なり、ホンダからはワークスエンジンを供給されることになり、2013年以来遠ざかっているF1ワールドチャンピオンの奪還を目指す。「チームにとってパワーユニットサプライヤーの変更は大きな決断だったが、今はこの状況を楽しんでおり、今後についてもポジティブな期待を抱いている」とクリスチャン・ホーナーはコメント。「ホンダとはすでにパートナーとして一丸となれているし、彼らのF1にかける情熱とチャレンジ精神には我々の想いと共通するものを感じている。双方のエンジニア同士の緊密な作業により、車体とパワーユニットが本当の意味で一体となっていく様子を見ていると、この先が楽しみでならない」「冬のオフシーズン期間中に、レッドブル、ホンダ双方が懸命に作業に取り組み、多くの面で前進できていると実感している。また、昨年、トロロッソがホンダと一緒に積み上げてきたものがレッドブル・テクノロジーを介して我々のマシンに反映されており、それも大きなアドバンテージになっている」「ただ、当然ながらライバルも進化を遂げているはずだ。したがって、我々の対他競争力については、少なくともテストで走ってみてから、もっと言えば最初の3レースを終えたあたりにならないと正確なものは見えてこないと思っている」「今年の目標は昨年よりも多くのサーキットでマシンの実力を出せるようにすることだが、そこにパワーウニットの出力アップが加わればさらに素晴らしいものになる。それさえ実現できれば、我々にはサーキットにもファクトリーにも優秀なチームが控えているので、レースでの勝利や、最終的には選手権の優勝も不可能ではない」「ただ、現実的にはそういったことをシーズン開始後すぐに実現するのは難しいであろうとも想定している。シーズン中にはチームとして進化を見せられるレースがある一方で、パワーウニットの使用基数制限により困難に直面するレースウイークもあるだろうと考えている。それでも、このパートナーシップには大きな可能性を感じているし、シーズンを通してコンスタントな前進を見せられるものと思ってる」