レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、シーズン途中にマックス・フェルスタッペンと“集中的な会話”を行ったことが後半戦の復調に繋がったと明かし、2019年にはタイトル争いに加われることを感じていると語る。エンジン面ではメルセデスとフェラーリに打ち負かされたレッドブル・レーシングだが、RB15は同じルノーのエンジンを搭載するワークスルノーのR.S.18に対してはおよそ1.5秒速く、マックス・フェルスタッペンとダニエル・リカルドはアップダウンの激しいシーズンのなかで合わせて4勝を挙げた。
ヘルムート・マルコは「シーズン後半は、シャシー開発についてはかなりポジティブだった。明らかにベストだった。レッドブル側の信頼性は改善していたし、ルノーからも同じような改善があった。だが、特にマックスのシーズンはポール・リカールあたりから変わった」と Motorsport-Magazin にコメント。F1フランスGPまでマックス・フェルスタッペンは事故を起こしやすい傾向にあり、そのドライビングに批判が集まっていた。勝てるクルマがあったモナコGPではフリー走行3回目に不必要なクラッシュを喫して予選に出走することができず、加わりにチームメイトのダニエル・リカルドがレースを制した。マックス・フェルスタッペンにどのように対処したかと質問されたヘルムート・マルコは「我々は集中的な会話をした。そして、彼が自分自身にあまりに多くのプレッシャーをかけていることが問題だとわかった」とコメント。「彼はまだ非常に野心的だ。だが、彼はすべてのセッションで最速である必要はないことに気付いた。今の彼はより大きな視点で捉えているし、来年はチャンピオンを獲ることも考えていると思う。それを達成するためには必ずしもトップにいる必要はない」F1で最も人気の高いドライバーとなったマックス・フェルスタッペンの才能は多くの人々が認めているが、まだプレッシャーの中でもフェルスタッペンの気性には疑問を呈する者もいる。ブラジルGP後のエステバン・オコンとの一悶着は、映像がSNSで拡散して大きな騒動となり、マックス・フェルスタッペンの姿勢と成熟度、もしくはその欠如が注目を集めることになった。しかし、ヘルムート・マルコは、マックス・フェルスタッペンとエステバン・オコンの戦いは新しいことなく、二人が有名になる前にルールを辿ることだと述べた。「オコンとの一件はかなり特別だ。関係にはF3に遡った歴史がある。過去にも衝突はあった。だが、全体的に彼のレース週末のセットアップに関してはすべてが改善しいてきているし、マックスの周りの状況はだいぶ穏やかになっている」シーズン後半は大きな挽回を見せたものの、マックス・フェルスタッペンとレッドブル・レーシングはシーズン序盤のミスが貴重なポイントを犠牲にしたことは疑いの余地がない。「我々は独自に内部で“タラレバ”を計算した。マックスもしくはチームがミイスをしなければ、彼はドライバーズ選手権で2位だったはずだ。そして、我々もコンストラクターズ選手権で2位だっただろう」トロロッソから参戦していた2016年の第5戦スペインGPからレッドブル・レーシングに昇格したマックス・フェルスタッペンは、初レースで衝撃的な勝利を収め、それ以降、チーム内のお気に入りはダニエル・リカルドからフェルスタッペンへと変わっていた。そのリカルドは今シーズン限りでレッドブルを離れ、ルノーへと移籍する。2019年には立場は逆となり、チーム内で地位を確立させたマックス・フェルスタッペンのチームメイトとして、トロロッソを卒業して野心を持ったピエール・ガスリーが加入する。チームメイトを倒すことはドライバーにとって最初の仕事であり、レッドブル内のチームバトルが今から注目を集めている。しかし、ヘルムート・マルコは「ピエールはヤングスターとして加入する。彼がレッドブル・レーシングのルールに従わなければならないことは明らかだ」と語る。「簡単なことだ。マックスは確立されており、チームとのルーチンがある。ガスリーはフリーであり、とにかく彼はパフォーマンスを示す必要がある。彼らは平等だ」しかし、レッドブル・レーシングのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、2019年はマックス・フェルスタッペンを中心にチームを動かしていくことを示唆している。「今ではマックスの方が経験がある。そのため、今後チームはもっと彼を頼っていくことになるだろう」とクリスチャン・ホーナーはコメント。「もちろん、ピエールにも成長してマックスを手こずらせるポテンシャルはある。彼らがお互いにプッシュして、お互いのベストを引き出していくことを期待している。マックスとダニエルがしていたようにね」
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