レッドブル・ホンダは、2019年にF1でタイトル争いを演じるために燃料サプライヤーのエクソンモービルから強力な後押しを得ることになる。今シーズンのホンダのF1エンジンの有望な開発は、2019年のパートナーシップ初年度から力強い結果を上げることができるとレッドブル・レーシングに大きな期待を与えている。
冬の期間はホンダが2019年のF1パワーユニットを確定する必要のある重要な期間となるが、燃料パートナーのエクソンモービルは、今年のその段階よりもさらに先を見越した計画を立てていることを明らかにした。現在のターボハイブリッド時代のF1では、燃料サプライヤーとエンジンメーカーの協力して開発を進めており、燃料アップグレードによって大きなゲインを得ている。ホンダは、マクラーレンとの3年間はBPカストロールの燃料とオイルを使っていたが、トロロッソとのパートナーシップを開始してからは、レッドブル・レーシングと同じエクソンモービルの燃料とオイルを使用している。しかし、トロロッソ・ホンダのパートナーシップが決定したのは昨年9月のシンガポールGPと遅いタイミングだったため、燃料とオイルを準備する時間は限られていた。だが、2019年に向けては、ホンダはエクソンモービルと組んでレッドブルとトロロッソのために燃料アップデートを含めて協力してじっくりと進めていくことが可能になる。エクソンモービルのグローバルモータースポーツテクノロジーマネージャーを務めるデビッド・ツルサキは「昨年、ホンダとトロロッソとのパートナーシップが発表されたタイミングでは、12月のバルセロナテストの準備しかできなかった。短いタイムラインだった」とコメント。「だが、今年は継続的な変更、調整、テストを経て、我々はすでに2019年に取り組んでいる。それは本当に望んでいた状況だ」「シーズン中にアップグレードと準備のすべてをして、終了後に2019年の作業を開始するというのはやりたくないことだ。かなり早めに2019年に取り組みたいと思うものだ」「実際、我々はホンダのスタッフと仕事するチャンスを得ることができた。彼らとの仕事に慣れて、物事を進めて、テストチャンスを得たし、すでに今は完全なV6の耐久性テストで単一シリンダーの作業を開始している。まさに我々が望んでいた状況だ」「我々はかなり興奮している。我々は良いポジションにいるし、2019年に向けて適切な燃料と適切な潤滑油が用意されると思う」レッドブル・レーシングは今季までルノーのF1パワーユニットを使用しているが、ルノーはBPカストロールをベースに開発を進めており、ダイナモでエクソンモービルの燃料と潤滑油をテストするためには別途スケジュールを調整する必要があった。しかし、2019年からはレッドブルとトロロッソにF1パワーユニットを供給するのはホンダだけとなり、ホンダの施設でエクソンモービルのテストをいつでも実施することができるため、燃料アップグレードの導入はより効率的に実施することができた。「大きなアドバンテージとまでは言わないが、他の誰かと時間とテスト時間を競い合わなくても良くなることは、我々にとっては大きなステップだ」とデビッド・ツルサキは語る。「以前のエンジンメーカーのケースでは、必ずしも我々は優先的にテストをすることはできなかった。しかし、今回のケースでは、我々が優先というだけでなく、我々が唯一のメーカーだ。それはベストなシナリオだ」「シーズンの早い段階で、エンジンメーカーにとってどのような燃料とオイルがベストかついてコメントがあった。ひとつの燃料とオイルメーカーに捧げることができれば、テストの重複時間を最小限に抑えることができる」「我々はすでに、迅速な対応による成果を得られていると思う。データを入手することができれば、そこから調整することが可能となる。それを数カ月ではなく、数週間で行うことは、大きな違いになる」