レッドブルは、ヨーロッパF3選手権でタイトルを争う実力のあるダニエル・ティクトゥムが、F1のスーパーライセンスポイントの基準を満たさないという理由で若手ドライバーテストで走ることを許可しないのはおかしいと主張する。レッドブルは、2017年のマカオGPのウィナーでMcLaren Autosport BRDC Awardの受賞者でもある育成ドライバーのダニエル・ティクトゥム(19歳)を2019年にブレンドン・ハートレーに代えてトロロッソ・ホンダで走らせたいと考えている。
しかし、2015年にMSAフォーミュラに参戦した際にシルバーストンでのレースでセーフティカー中にライバルに意図的にクラッシュしたことで2年間のレース禁止処分を下されたダニエル・ティクトゥムがF1の公式テストで走るためには、F1スーパーライセンスポイントという大きなハードルが立ちはだかっている。現在、2015年のMSAフォーミュラでの2ポイントしか有していないダニエル・ティクトゥムは、F1の公式テストセッションへの参加をFIA(国際自動車連盟)から却下されており、レッドブルはハンガリーGP後のインシーズンテストでティクトゥムを走らせることができない。レッドブル・レーシングのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは「マカオで優勝し、今年のF3でレースに勝っているドライバーが若手ドライバーテストで走れないのは少し奇妙なことだと思う。検討する必要があることだ」と Autosport にコメント。「競争力のあるドライバーが間違いなく減ってきているのでFIAは検討していると思っている」ダニエル・ティクトゥムが2015年に獲得した2ポイントのF1スーパーライセンスポイントは今シーズン末で失効する。今年のヨーロッパF3選手権でタイトルを獲得することができたとしても、ダニエル・ティクトゥムが獲得できるF1スーパーライセンスポイントは30ポイントだけであり、F1でレースをするために必要な40ポイントを満たすことができない。それでも、F1テストに参加するために必要な国際A級ライセンスと、グランプリ週末でフリープラクティスで走行するための限定ライセンスを申請するために必要は25ポイントを満たすことになる。クリスチャン・ホーナーは、ダニエル・ティクトゥムのF1ハンガリーテストが除外された今、ティクトゥムのプライオティはヨーロッパF3選手権でタイトルを獲得することに集中することだと述べた。「ダンのプライオリティと焦点はF3でチャンピオンを獲得することだ。彼には今年それを成し遂げるための大きなチャンスがある」とコメント。「彼は非常に速いドライバーだ。上位チームで走っていないにも関わらずね。彼はその状況を非常にうまく跳ね返していると思うし、F4やその後のレース禁止処分での困難から人生の教訓を学んでいる」クリスチャン・ホーナーは、ダニエル・ティクトゥムがF1ハンガリーテストに参加できなくなったことで、ジェイク・デニス(22歳)が2度目となるテスト参加を果たすことになると認めた。5月のバルセロナテストでレッドブルのマシンを走らせたイギリス出身のジェイク・デニスは、レッドブル・レーシングのシミュレーター開発ドライバーを務めており、F1チームのスポンサーであるアストンマーティンが運営するRモータースポーツからブランパンGTシリーズに参戦しており、チームとの関係を築いている。「ハンガリーではジェイク・デニスが再び我々のクルマを走らせることになる。彼は担当するシミュレーター作業でとても良い仕事をしている。彼が我々の若手ドライバーの役割を果たすことになる」F1で走行するためのスーパーライセンスにポイント制度が設けられたのは、レッドブルがきっかけだった。2014年にマックス・フェルスタッペンが史上最年少となる16歳でスーパーライセンスを取得している。FIAは、2016年に下位カテゴリーでの実績をポイント化するスーパーライセンスのポイントシステムを設置。取得の条件に“18歳以上で、かつ有効な自動車運転免許所持”を義務付けた。
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