ルノーF1は、カナダGPでアップグレード版F1エンジンを導入する準備はできているが、特にレッドブル・レーシングはモントリオールでそれを使うことは得策ではないかもしれないとしている。ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットのようなパワーセンシティブなトラックではアップグレードは明らかな利点となるが、各ドライバーはここまでパワーユニットの使用数が異なっており、一筋縄ではいかない。
例え、ここまで1セットしかパワーユニットを導入していないとしても、オープニングラップの事故でリタイアしたドライバーなどはまだエンジンのマイレージは残っている。ルノー・スポーツF1のマネージングディレクターを務めるシリル・アビテブールは「我々には新スペックのエンジンがある」と Autosport にコメント。「まだ導入は確定していない。なぜなら、全てのマシンが同じマイレージというわけではないからだ。どこでどのタイミングで新スペックをどう導入するかを見極めていく」「6台のエンジンは利用可能な状態だが、サプライチェーンの調達における最後のイベントが対象となる」「それが計画だが、実際に6台全てに導入するのが最適であるかは確信していない。レッドブルは特にね。そこを調べていく必要がある」「エンジンアップグレードを導入するのが我々だけではないことはわかっているが、パワーのゲインは小さい。多くのパワーを期待できるのは主にICE(内燃エンジン)だ。そこが焦点でなければならず、今シーズン、そしてライシーズンを通してそこが焦点になっていくだろう」しかし、レッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、ルノーのどんな改善であっても歓迎だと語る。モナコGPでダニエル・リカルドのMGU-Kに不具合が発生したこともあり、クリスチャン・ホーナーは「我々は信頼性のあるMGU-Kを望んでいる」と語る。「モントリオールでは小さなアップグレードが入るが、現時点では全てのものが必要であり、我々にとってそれは非常に重要なことだ」ダニエル・リカルドは、第2戦バーレーンGPでの故障によってパワーユニットのすべてに2基目のコンポーネントを投入している。MGU-K、コントロールエレクトロニクス、エネルギーストアは年間2基までしか使用できず、3基目のMGU-Kを導入した際には10グリッド降格ペナルティ、エネルギーストアとコントロールエレクトロニクスも導入すれば、それぞれ5グリッド降格が科せられ、合計で20グリッド降格となる。マックス・フェルスタッペンは、F1モナコGPで3基目のMGU-Kを投入してすでに10グリッド降格ペナルティを受けている。レッドブル・レーシングは、来季以降にルノーとホンダのどちらのF1パワーユニットを搭載するかを検討しており、ホンダとルノーが揃ってアップグレードを導入するF1カナダGPをひとつの判断基準にするとしている。
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