アストンマーティンは、F1レギュレーションが変更になり手頃な価格になるのであれば、2021年にエンジンサプライヤーとしてF1に“おそらく”参戦するだろうと語る。F1上層部は、コストと複雑さを低減し、新たなエントラントを惹きつけるために新しいF1エンジンレギュレーションを提案したが、既存メーカーは反発している。
アストンマーティンのCEOを務めるアンディ・パーマーは「取締役会にはおそらく提案しないだろうという状況から、おそらく提案するだろうという状況に変わった」と BBC Sport にコメント。アンディ・パーマーは、既存のF1ルールは“一般の人々を悩ませ、F1から遠ざけている”と語る。アンディ・パーマーは、アストンマーティンの市販車レンジを拡大しようとしており、マーケティングプラットフォームとしてF1を活用したいと考えているが、彼とレッドブルは、F1エンジンルールの変更に影響を与えるために協力していると付け加えた。今年、アストンマーティンは、2014年からF1で使用されているターボハイブリッドエンジンに声高に反対しているレッドブルとスポンサーシップ契約を結んでおり、2018からタイトルスポンサーを務める。アンディ・パーマーは「問題はF1を再び面白いにするということだ」と語る。「つまり、ドライバーをスポーツの中心に戻すことを意味するが、今日では、ターボチャージャーがスポーツの話題の中心になっている。私はエンジニアであり、テクノロジーを愛しているが、これは馬鹿げている」「非常にシンプルなレベルで言うと、我々は40年前に私が恋に落ちたときのパイロットやシャシー、空力面に集中するエンターテインメントだったスポーツに戻してくれることを願っている破壊力だ。確かにエンジンに少しの競争的アドバンテージはあったが、エンジンがすべてではなかった」「スポーツは以前のようにドライバーが重要ではなくなっているのは確かだ。それが私の主旨だ。エンジンのせいでファンが離れているか? まぁ、毎週同じ人が勝っていたのでスポーツが退屈だと言われていた記憶はない」一部の国で視聴者が減少している背景についてアンディ・パーマーは「かつてのようなエンジンサウンドがないこと、一部のエンジンの信頼性の低下、グリッド降格ペナルティが本当に理解しがたいことなどについて議論ができるだろう」とコメント。「グリッドに20台しかいないのにどうやって35グリッドを降格させるというのだろう? 不条理なことがいくつかある」「エンジンの技術面がすべてではないが、結局は5つの異なるスクリーンを見ている現代の人々が理解できるエンターテインメントにF1を戻さなけれればならない」「もちろん、私にとってそれをやることには商業的理由があるし、レッドブルにとっても商業的理由がある。だが、本質的には我々の意図は一致している、我々はスポーツを愛しているといっても過言ではないだろう」昨年、アストンマーティンを初めて黒字化したアンディ・パーマーは、同社の市販車レンジの拡大を計画している。その一部として、アンディ・パーマーは、ミッドシップスーパーカー市場においてアストンマーティンをF1に参戦するフェラーリやマクラーレンなどの直接的かつ現実的なライバルとして位置づけたいという野心を持ってる。アストンマーティンは2020年以降のF1エンジンルールの議論に関わっており、2つの申請したとアンディ・パーマーは語る。ひとつは自社のため、そして、もうひとつは2013年を最後にF1から撤退した独立エンジンメーカーのコスワースとのパートナーシップだとい。FIAとF1グループは、現在のV6ターボ構造を維持するが、ターボからエネルギーを回収する画期的だが複雑なハイブリッドデバイスであるMGU-Hを廃止することで、シンプルかつ安価でノイズの多いエンジンにすることを提案した。アンディ・パーマーはこの計画を支持しているが、アストンマーティンは、エンジンのテストベンチ“ダイナモメーカー”を使用できる時間数を制限することで、エンジン開発が制限される場合にのみ、アストンマーティンがF1に参入できるようになると語る。議論されているものにそのような提案は含まれていなかったが、アンディ・パーマーは、そのような制限がなければ、アストンマーティンはF1に参戦できないと語る。アンディ・パーマーは、2021年までにアストンマーティンが受け入れられるF1エンジンの年間の予算の正確な数字は明かさなかったが、“数千万ポンド”になるだろうと述べた。新しいエンジン規約が基準を満たした場合、「可能性という領域に入り、取締役会に持っていく必要がある。取締役がどんな決定を下すのかをじっと見詰めているのは傲慢なCEOだ」とアンディ・パーマーは語る。「もちろん、私は取締役会を導いていく。我々は四半期ごとに議論しているし、その可能性の準備運動をしている」F1の4つの既存メーカーのうち、メルセデス、フェラーリ、ルノーの3社は、完全に新しい設計になることで新たな開発コストが発生するとして、新しいF1エンジン案に反対している。彼らはまた現在のテクノロジーにつぎ込んだ投資を犠牲にしたくないと考えている。FIA会長のジャン・トッドは、現行エンジンは“あまりに複雑で高価”であると考えているが、公表されたルールは提案であると強調。マニュファクチャラーの立場に“共感する”と語る。「現時点では議論だ」とジャン・トッドは述べた。「正常な世界では良識が優先されるべきであり、我々は将来のエンジンがどうあるべきかの合意を見い出せなければならない」「我々には、安価、シンプル、大音量、市販車との関連性、システムの完全性を保って現在の開発を捨てなくても済むようにするなど、いくつかの項目がある」「それが我々が達成したいことであり、それを達成するためにチームで取り組んでいる。F1グループのエキスパートであるFIAが関与しており、我々はマニュファクチャラー、潜在的な将来のサプライヤーと話をしている」「既存のエンジンサプライヤーの考えを過小評価し、参入するかもしれないと考える人々の意見を聞くのは不公平だろう。私にとっては、将来のためのエンジンのベストな進化を目指しつつも、ここまでに行われた投資を尊重することが重要だ」
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