レッドブルは、F1日本GPの予選でマーク・ウェバーに最新仕様のウイングを保たせることで去年のF1イギリスGPで巻き起こった“ウイング・ゲート”が繰り返されることを防いだ。2010年のF1イギリスGPでは、セバスチャン・ベッテルが装着していた新しいバーションのフロントウイングを故障。スペアがなかったため、レッドブルはマーク・ウェバーのマシンに装着していたフロントウイングをベッテルのマシンに装着した。
だが、決勝レースでは旧バージョンのウイングで走らされることになったマーク・ウェバーが優勝。レース後に「ナンバー2としては悪くない」と発言して内紛に発展した。そして今年のF1日本GPでは、金曜午前のフリー走行でセバスチャン・ベッテルがデグナーでクラッシュし、同じような状況が起こった。セバスチャン・ベッテルは、土曜日のフリー走行3回目まで旧バージョンのウイングを装着。その間にミルトンキーンズのファクトリーでは新しいエンドプレードが準備され、プライベートジェットでロンドンから名古屋に空輸。ヘリコプターで鈴鹿にウイングが到着したのは予選開始30分前だった。セバスチャン・ベッテルは、新しいウイングを装着して鈴鹿でポールポジションを獲得。レース後「チームは全てを元に戻してくれた。予選に間に合うように(ミルトンキーンズから)届けてくれた」と述べた。レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、再びマーク・ウェバーのフロントウイングを取り上げることは決して考えなかったと述べた。「前回(シルバーストン)では故障だった。1つだけ残っていたが、それはドライバーに関係することではなかった」「昨日は単に彼(ベッテル)によるものだった。彼がマシンから降りたときはかなりイライラして見えたのは、その時には日本に2つしかないとわかっていたフロントウイングにダメージを与えてしまったとわかっていたからだ」関連:レッドブル、ベッテルに新フロントウイングを与える - 2010年7月11日