レッドブル・エアレース 世界選手権 2017シーズン 第3戦 千葉の金曜日は、強風の影響で予定されていたフリープラクティスがキャンセルになった。レースディレクターのジム・ディマッテオは公式発表の中で「本日の天候条件ではフリープラクティスをキャンセルするしかありませんでした。風向きと強度の影響で、パイロットはレースエアポートからテイクオフできませんでした」とコメント。
「ギリギリの時間まで可能性を探りましたが、キャリブレーションフライトしか行えませんでした。レッドブル・エアレースは安全性を最優先しているため今回の決定に至りました」キャリブレーションフライトは元ワールドチャンピオンのポール・ボノムが担当した。キャリブレーションフライトは、パイロットがレーストラック上に出る前にレーストラック上に設置されている計測機器の動作をテストするために行われるものだが、キャリブレーションフライト中にフリープラクティスを行えるコンディションではないという最終判断が下された。レッドブル・エアレースのパイロットたちは数多くの熱心なファンが現地観戦に訪れることから日本でのフライトを楽しみにしているため、フリープラクティスがキャンセルになってもポジティブな姿勢を崩していない。現ワールドチャンピオンのマティアス・ドルダラーは、キャンセルの知らせを受けたあと、「問題ない。振り回される形にはなったが、風が強すぎるなら、レース委員会がフリープラクティスをキャンセルするのは当然だ。今年の千葉のレーストラックには興味をそそられている。実際にフライトすれば、画像や資料から得ている印象とはかなり違う印象を持つはずだ。非常にテクニカルなレーストラックなので、気に入っている。森を抜けるスラロームコースのようだ」とコメントした。千葉のレーストラックはチャレンジングなため、パイロットたちは熱心に研究を重ねてきた。現在総合首位に立っているマルティン・ソンカは「常に次のレースに目を向けているので、千葉にようやく来ることができて嬉しい。第2戦終了後からハードワークを重ねて千葉のレーストラックを分析してきた。非常にテクニカルで風の影響も受けやすいレーストラックなので、風向きによってその姿を大きく変える可能性があるが、あらゆる状況を想定してきた。問題なくフライトできるはずだ」とコメントした。一方、千葉から新機体を導入することが予定されているマット・ホールは、フリープラクティスのキャンセルをやや不満に感じているようで、「非常に残念だ。千葉にようやくやって来たので、レースを楽しみたい。自分の場合は新機体でまだ12時間しかフライトしていないので、レーストラックに出て機体の調子を確認する必要がある。今は1分も無駄にしたくない」とコメントを発表した。