レーシング・ポイントF1は、ランス・ストロールの新型コロナウイルス感染を意図的に隠蔽したのではないかと疑われている。今週水曜日、ランス・ストロールは10月21日(水)、F1アイフェルGP後に実施した新型コロナウイルス検査で陽性反応が出ていたことを明らかにした。
ランス・ストロールは、F1アイフェルGPの土曜日に体調不良を訴えて欠場を決断。ニコ・ヒュルケンベルグが代役を務め、ランス・ストロールは自己隔離に入った後、日曜日の朝に自宅に戻り、翌月曜日に検査を受けて陽性反応が出たとしてしている。だが、一連の流れのなかでレーシング・ポイントF1がFIAの新型コロナウイルスのルールを無視した可能性が疑われている。レーシング・ポイントF1のチーム代表オトマー・サフナウアーは、F1アイフェルGPの週末中、ランス・ストロールはロシアGP以降に体調を崩していたが、新型コロナウイルスの検査では陰性だったと繰り返していた。しかし、土曜日にインフルエンザのような症状と下痢によってランス・ストロールを欠場させることを決断。“トイレから出ることができなかった”という発言だけが注目を集めた。だが、その症状は新型コロナウイルス感染の兆候を示すものであり、FIAの新型コロナウイルスのプロトコルでは、感染が疑われた場合はすぐに報告しなければならないと規定されている。だが、レーシング・ポイントF1は、土曜日にニュルブルクリンクで自主的に新型コロナウイルスの検査を実施していなかった。すべてのドライバーとチームメンバーは5日ごとに新型コロナウイルスの検査を受ける必要があり、日曜日がその日となっていた。しかし、レーシング・ポイントF1はその検査の前にランス・ストロールを自宅へと送っていた。ランス・ストロールは、金曜日もしくは土曜日にすでにニュルブルクリンクで新型コロナウイルスに感染していたが、そのままドイツを出国した可能性がある。仮にランス・ストロールがニュルブルクリンクのトラックで検査を受けていた場合、レーシング・ポイントF1に広範囲にわたる影響を与えていた可能性がある。ランス・ストロール側のガレージは隔離され、新たに検査を受ける必要があったかもしれない。テストのタイミングによっては、ニコ・ヒュルケンベルグと彼のメカニックはレースに参加できなかった可能性がある。しかし、ランス・ストロールはすでに家に帰っており、FIAとF1によって手配されたものではない検査で陽性反応が出ている。すでに10日間の自主隔離を終えて陰性反応に変わったランス・ストロールは今週末のF1ポルトガルGPへの出場に支障はないとしている。この問題がさらに尾を引くことになるかどうかは現時点では不明だ。FIAは新型コロナウイルスのルールを強化して、プロトコルに違反したドライバーの出場を禁止する可能性があるが、現時点ではその可能性は低いと考えられている。レーシング・ポイントF1のチーム内のさらなる感染者の情報はなく、故意にルールを破ったかどかも100%確実ではない。
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