ポルシェは、2014年からWEC世界耐久選手権およびル・マン24時間に参戦するLMP1カーの初テストを完了させた。ポルシェ LMP1ハイブリッドは、ドイツ・バイザッハにあるポルシェのテストコースでシェイクダウンを実施。ファクトリードライバーのティモ・ベルンハルトがステアリングを握った。
ポルシェは、7月にポルシェ LMP1ハイブリッドのシェイクダウンすることを示唆していたが、予定よりも“数週間”早く実施された。公開されたクーペボディのポルシェ LMP1ハイブリッドには、ポルシェ、アディダス、ミシュラン、モービル1のロゴ以外には偽装のためにカモフラージュの模様が施された。ポルシェLMP1プロジェクトのディレクターを務めるフリッツ・エンツィンガーは「スケジュール通りに計画は進んでいます。私達が新たに編成したチームは、このきわめて複雑な車両を一刻も早くサーキットに送り出すため、最大限に集中して作業に取り組みました」とコメント。「その結果、さらなるテストおよび開発に充てる数週間を稼ぐことができました。2014年から、レギュレーションは効率に最重点を置いたものになります。これにより、エンジニア達の闘いはさらに興味深くなるのと同時に、私達にとっても、まったく新たな挑戦となります」ワークスとしてLMP1カーで最高峰のモータースポーツに復帰するという2011年中盤の決定以来、ヴァイザッハのモータースポーツセンターは大幅に拡充された。ワークショップおよび管理棟が建設され、LMP1カーの設計、組み立ておよび配備を担当する約200名の従業員が勤務している。このレーシングカーは、2014年シーズンからヴァイザッハを拠点としてワークスチームとともにWECへ参戦する。ポルシェのワークスドライバーであるティモ・ベルンハルトは「私は、すべてが白紙の状態からこのニューモデルの開発に関わってきました」と説明。「今日、この生まれたてのLMP1カーを最初に走らせることができ、とても誇りに思っています。そして、すでにこの車両からは素晴らしい感触を得ることができました。これからの数週間、そして数ヶ月、友人であり同僚でもあるロマン・デュマと共にこの車両をテストしていくのが楽しみです」ティモ・ベルンハルト(32)とロマン・デュマ(35)は、ポルシェのLMP1プロジェクトの最初のドライバーとして、世界各国のサーキットで行われるテストの大部分を担当する。ポルシェAGの研究開発担当役員であるヴォルフガング・ハッツは「新型LMP1カーの開発中、私達は公道仕様の生産車と同じ課題に直面しました」語る。「私達の目標は、パフォーマンスに妥協することなく最高の効率を達成することです」。ポルシェAGの取締役社長であるマティアス・ミューラーは、ハイテクのレーシングカーの開発から得られる顧客の利益を特に強調していた。「エンジニア達は、今日ヴァイザッハのコースで初めてテストされた新型LMP1カーを何もないところから設計するだけでなく、レギュレーションの枠内で数多くの新たなテクノロジーを応用することができました。これは将来的に、公道仕様車両のお客様のメリットになります。このように、ポルシェの1台1台に、レーシングカーのテクノロジーが息づいているのです」ポルシェはまだ、新しいLMP1クーペがガソリンエンジンを搭載するということだけで、技術的な詳細、ネーミング、タイプ番号は明かしていない。