ピレリは、F1の公式タイヤサプライヤー契約を2028年まで延長するオプションを行使したと報じられている。現在の契約は2025年から2027年までを正式期間とし、F1とFIAの合意を条件に2028年まで延長できる条項が含まれていた。Speed Weekによると、このオプションはすでに発動され、ピレリはさらに2029年以降の次期供給サイクルにも入札する意向だという。
2028年オプションを行使 次期契約にも意欲ピレリは2011年からF1の単独タイヤサプライヤーを務めており、今回の延長により、その関係は少なくとも2028年まで続く見通しとなった。同社は単なる契約延長にとどまらず、2029年以降もF1に残ることを視野に入れている。タイヤサプライヤーとしての役割は、レース結果に直結する一方で、常に批判の対象にもなりやすい立場だ。退任するレーシング責任者のマリオ・イゾラは、F1タイヤをめぐる情報発信の難しさを認めている。「タイヤについてポジティブな情報を広めるのは、確かに難しい」「だが、舞台裏で行われている仕事について情報を共有することで、それは可能になる」F1で得た技術を市販タイヤ開発へイゾラは、F1での活動がピレリの市販タイヤ開発にも影響を与えていると説明した。「我々はデジタルツインを活用している。つまり、仮想プロトタイプと物理プロトタイプを並行して開発しているということだ」「これはF1で学んだことだ」「こうした研究成果は、市販タイヤの開発にも活用できる」F1タイヤは、レース週末ごとに戦略、デグラデーション、作動温度域、耐久性が注目されるため、サプライヤーには極めて高い説明責任が求められる。一方で、そこで蓄積される開発手法やシミュレーション技術は、ピレリにとって市販製品へ還元できる重要な資産でもある。2028年までの契約延長は、F1とピレリの関係が継続するだけでなく、2029年以降のタイヤ供給体制をめぐる競争の出発点にもなる。ピレリは単独サプライヤーとしての実績を武器に、次の契約サイクルでもF1に残る構えを見せている。