ピレリは、2020年のF1世界選手権の序盤8戦のタイヤコンパウンド選択を発表。イギリスでの2連戦では異なるコンパウンドを配分するというひねりが加えられた。新型コロナウイルスの影響によって開幕10戦が延期・中止となっていた2020年F1世界選手権だが、7月5日にオーストリアのレッドブル・リンクでいよいよ再開。翌週もレッドブル・リンクで第2戦が開催される。
その後、ハンガリーに移動したF1サーカスは、シルバーストンで再び2週連続で開催され、スペイン、ベルギー、イタリアでのヨーロッパラウンドを戦う。ピレリは、2019年のF1世界選手権から新しいタイヤ命名システムを導入。ドライコンパウンドは5種類となり、最も硬いものをC1(コンパウンド1)、最も柔らかいものをC5(コンパウンド5)と名付け、各レースでハード(ホワイト)、ミディアム(イエロー)、ソフト(レッド)として配分される。ピレリは、オーストリアでの両方のラウンドにC2、C3、C4タイヤを選択。第1戦はオーストリアGP、第2戦シュタイアーマルクGPと呼ばれる。続くハンガリーGPでも同じコンパウンドが配分される。第4戦イギリスGPではC1、C2、C3に切り替わる。だが、同じシルバーストンで第5戦“70周年記念GP”では、コンパウンドがC2、C3、C4に切り替えられ、レースに新たなひねりが加えられる。カタロニア・サーキットで開催される第6戦スペインGPではC1、C2、C3と硬いコンパウンドを採用。第7戦ベルギーGP、第9戦イタリアGPではC2、C3、C4が選択された。近年、F1チーム間で戦略的な違いを生み出すために、F1チームは3種類のコンパウンドの13セットを選ぶことが許可されていた。ただ、それを実現するために、F1チームはフラウアウェイレースでは14週間目、ヨーロッパラウンドでは8週間前にどのような選択をするかをピレリに通知する必要があった。正式な発表はなされていないが、すでに開幕まで3週間を切っており、このタイヤ選択制は廃止されると予想されている。