ピレリが、2019年のF1世界選手権 第19戦 アメリカGP 決勝でのタイヤ戦略を振り返った。メルセデスのバルテリ・ボッタスが2ストップ戦略でアメリカグランプリを制した。また、1ストップ戦略を採ったチームメイトのルイス・ハミルトンは2位でフィニッシュし、自身6度目のドライバーズタイトルを獲得した。例年同様、広範囲に渡る戦略がサーキット・オブ・ジ・アメリカズで展開され、レース終盤にはトップ3間で緊迫した戦略的な闘いが見られた。
■キーポイント・ポールポジションからスタートしたボッタスは、2回目のピットストップ後、ハミルトンを追うかたちとなった。その後、ボッタスはフレッシュなタイヤのアドバンテージを活かし、レース終盤トップに立った。・ハミルトンは、トップ10グリッドでミディアムタイヤを装着してスタートしたドライバー中のひとりだった。ライバルたちよりも長いオープニングスティントを走行したハミルトンは、ハードへ交換する1ストップ戦略を採った。この戦略には、完璧なタイヤマネジメントが必要だった。・レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、ボッタスと同様のミディアム~ハード~ミディアムと繋ぐ2ストップ戦略を採ったが、ハミルトンを抜くことはできず、3位でフィニッシュした。・フェラーリのシャルル・ルクレールは、3種類のコンパウンドを使用した2ストップ戦略で4位フィニッシュした。ルクレールは、ソフトタイヤを使用したファイナルスティントでファステストラップポイントを獲得した。・レッドブルのアレクサンダー・アルボンが5位を獲得した。接触によってオープニングラップでのピットストップを余儀なくされたアルボンは、ただひとりの3ストッパーとなった。・トップ6で5種類の異なる戦略が使用され、アメリカグランプリにおける戦略の多様性が強調された。・昨日同様の温暖なコンディションがタイヤ動作に影響を及ぼし、硬めのコンパウンドが好まれる傾向となった。■各コンパウンドのパフォーマンス・ハード C2:鍵を握るレースタイヤとなり、アルボン以外の全ドライバーがハードを使用した。1ストッパーで優勝を狙ったハミルトンは、ハードタイヤによるファイナルスティントで32周を走行した。・ミディアム C3:4名を除く全ドライバーがミディアムを使用した。また、トップ5グリッドのドライバーがミディアムでスタートした。・ソフト C4:ファステストラップを記録した4位のルクレールを含め、多くのドライバーが燃料の軽いファイナルスティントでソフトを使用した。マリオ・イゾラ(ピレリ カーレーシング責任者)「1ストッパーで優勝を狙ったハミルトンと、フレッシュなタイヤで後を追うドライバーたちとの緊迫した闘いがレース終盤に見られました。ハミルトンは優勝できませんでしたが、戦略の重要性を示す見応えある闘いでした。スリリングなレースを経て、6度目のドライバーズタイトルを獲得したルイスを讃えたいと思います。また、ハミルトンと異なる戦略でレースを制したバルテリも祝福します。気温が低かった金曜日よりも温暖なコンディションとなったことで、硬めのコンパウンドを使用した1ストップもしくは2ストップの判断が難しくなったと思います。実際、表彰台中の2名が2ストッパーでした。上位から下位まで、終始広範囲に渡る戦略が見られました。これは、我々がまさに求めていたレースです」
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