ピレリが、2019年のF1世界選手権 第15戦 シンガポールGP 決勝でのタイヤ戦略を振り返った。3番グリッドからスタートしたセバスチャン・ベッテルが優勝し、フェラーリに3連勝をもたらした。ベッテルは、ピットストップ戦略によって、チームメイトのシャルル・ルクレールを抜くことに成功した。ポールからスタートしたルクレールが2位でフィニッシュし、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが3位を獲得した。セーフティーカーが3回導入されたフィジカル面で厳しいレースで、トップ7が同じ戦略を採用した。
キーポイント・トップ9グリッドのドライバーがソフトでスタートし、トロ・ロッソのピエール・ガスリーを除く他のドライバーがミディアムでスタートした。11番グリッドからハードでスタートしたガスリーは、8位を獲得した。・ベッテルは、「アンダーカット」に成功し、チームメイトに代わってトップに立った。ライバルたちよりも長い第一スティントを走行する戦略を採ったメルセデスのルイス・ハミルトンは、フェルスタッペンにアンダーカットされ4位でフィニッシュした。・レース前半はペースマネジメントが見られた。・レース後半に3度セーフティーカーが導入され、シンガポールグランプリでのセーフティーカー導入率100%の記録は今年も維持された。・ルノーの両ドライバーは、代替戦略を余儀なくされた。ダニエル・リカルドは最後方グリッドからスタートし、ニコ・ヒュルケンベルグはオープニングラップでの接触によって同ラップでハードへ交換した。マクラーレンのカルロス・サインツも同様に1周でハードへ交換した。・上位勢が同じ戦略を採った中、中段グループでは広範囲に渡る戦略が展開され、様々な1ストップおよび2ストップ戦略が見られた。各コンパウンドのパフォーマンス・ハード C3:全ドライバーが使用し、不可欠なレースタイヤとなった。ガスリー、ヒュルケンベルグ、サインツらによる非常に長いスティントも見られた。・ミディアム C4:アルファロメオのアントニオ・ジョヴィナッツィがミディアムで長い第一スティントを走行し、一時トップに立った。・ソフト C5:レース前半、タイヤマネジメントが必要とされる中、ハミルトンがソフトでの最長オープニングスティントを走行した。マリオ・イゾラ (ピレリ カーレーシング責任者)「タイヤ戦略が鍵となった興味深いグランプリでした。長いレースの後半に向けて、前半は燃料とタイヤをセーブするペースマネジメントが見られました。セーフティーカーは、大きなアドバンテージを即座に消してしまうことから、セーフティーカー導入を想定したタイヤマネジメントが必須要素となりました。3度のセーフティーカー導入は、タイヤの摩耗とデグラデーションをミニマムにしました。リアタイヤからの大きなトラクションを必要とするシンガポールでは、リアを保護するためにフロントに大きな負荷をかけるセッティングを行う傾向にあります。そのような状況下での、今日の摩耗とデグラデーションレートには満足しています。上位7名が使用したソフトからハードへ繋ぐ戦略が最適な戦略となりましたが、全3種類のコンパウンドは重要な役割を果たし、多様な戦略が展開されました。見応えのあるレースで、ワンツーフィニッシュを達成したセバスチャン・ベッテル、シャルル・ルクレール、そしてフェラーリを讃えたいと思います」
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