ピレリが、2019年のF1世界選手権 第7戦 カナダGP 決勝でのタイヤ戦略を振り返った。フェラーリのセバスチャン・ベッテルがトップでフィニッシュしたが、ベッテルには5秒ペナルティーが課されたことから、カナダグランプリの優勝は、メルセデスのルイス・ハミルトンとなった。トップ4を占めたフェラーリとメルセデスのドライバーは、4位のバルテリ・ボッタスを除き、我々が最速戦略と予測したミディアムからハードへ繋ぐ1ストップ戦略を採った。
キーポイント・近年で最も高温下でのカナダグランプリ決勝となり、スタート時の気温は30度、路面温度は50度を上回っていた。・ポールポジションからスタートしたベッテルは26周目に、ハミルトンは28周目にそれぞれピットストップを行った。両ドライバーは、僅差の中で終始トップ争いを繰り広げた。その闘いは、ベッテルに対してレース・スチュワードから課された『アンセーフ・リエントリー』ペナルティーによって決着した。・9番グリッドからスタートしたレッドブルのマックス・フェルスタッペンは、ハードタイヤでの長いオープニングスティント後、ミディアムでのファイナルスティントを走行した。これと同じ戦略を採ったレーシング・ポイントのランス・ストロールは9位を獲得した。・高温のコンディションにもかかわらず、1ストップが主流のレースとなりました。注目すべき例外は、メルセデスのバルテリ・ボッタスだった。ボッタスは、終盤にソフトタイヤへ交換する2回目のピットストップを行い、ファステストラップポイントを獲得した。・ルノーは、ソフトからハードへと繋ぐ1ストップ戦略で、今シーズン初めてとなる両ドライバー入賞を果たした。トップ6で4種類の異なる戦略が実行された。各コンパウンドのパフォーマンス・ハード C3:その耐久性が高温下のレースに適応したハードは、全般的に積極的に使用された。スタートから48周をハードで走行したフェルスタッペンは、4つのポジションアップに成功した。・ミディアム C4:ミディアムは、勝利の鍵を握るタイヤとなった。トップ10グリッド中、ミディアムでスタートしたドライバーが、フィニッシュ時のトップ4を占めた。レースの序盤、高速のペースにもかかわらず、ミディアムのデグラレーションは予測よりも小さいものだった。・ソフト C5:高温のコンディションがソフトのサーマルデグラデーションを誘発したことから、ソフトでのスティントは比較的短くなった。終盤にソフトで計測されたファステストラップは、これまでのラップレコードを更新した。マリオ・イゾラ (ピレリ カーレーシング責任者)「スタート時の路面温度が52度という非常に高温なコンディション下、両ドライバー合わせて9回のタイトルを獲得している2人のチャンピオンによる見応えある闘いが終始展開されました。今日のコンディションは、明らかにソフトコンパウンドに影響を及ぼしましたが、ミディアムのサーマルデグラデーションは予測よりも小さいものでした。全体的に、タイヤはコンディションの厳しさに対応し、大半のドライバーが1ストップを実行しました。ミディアムからハードへ交換する1ストップ戦略が、今日の最適な戦略でした。また、ハードで長いオープニングスティントを走行したマックス・フェルスタッペンとランス・ストロールは、ハードを上手く活用し、価値あるポイントを獲得しました」
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