今年のF1タイヤのなかでスーパーソフトはF1ドライバーから不評であり、ピレリはF1ドイツGPでもスーパーソフトを持ち込まない決断をしている。今年、ピレリはタイヤコンパウンドを一新。各コンパウンドを1ステップ柔らかくするとともに、最も柔らかいハイパーソフト(ピンク)を導入。しかし、そのなかでスーパーソフトはF1ドライバーから酷評されている。
前戦スペインGPでは、スーパーソフトよりも硬いソフトタイヤで速いタイムを出しているドライバーが多く、ハースのF1ドライバーであるロマン・グロージャンは、スーパーソフトを“ゴミ”だと表現。「ソフトの方が速く走れるなん決して普通のことではない」とロマン・グロージャンはコメント。「あるべき立ち位置になっていないことが示されたと思う。スーパーソフトの方が速くなければおかしい」「もちろん、デグラデーションが多いことは予想していたし、実際にそうだったけど、運転するのが難しい。クルマのリアがあまり暗転したいし、尖っていて、運転しずらい。思い通りにプッシュできない」このような批判もあってか、ピレリはF1ドイツGPでウルトラソフト、ソフト、ミディアムというコンパウンドを選択。このようにスーパーソフトが“スキップ”されるのは中国GPに続いて2度目となる。ピレリのカーレーシング責任者を務めるマリオ・イゾラは、こうしたタイヤ選択方針をもっと増やすことについてオープンだと語る。「ドライバーたちと少し話をしたが、とてて興味深いものだった。彼らは将来について多くのアイデアを持っていた」とマリオ・イゾラは述べた。「興味深い提案もある。彼らは中国のタイヤ選択を喜んでいた。ソフトとミディアムの違いは時に1秒以内のことがあるので、その場合にレベルをスキップするという考え方ができる。例えばハード、ソフト、ウルトラソフトといった感じだ」 「これについて考えられる影響を理解するため、シミュレーションをしてみることも可能だろう。レンジ内には6つのコンパウンドがあるため、中国のようにレベルを飛ばすという柔軟性を持つことができる」ピレリは次のモナコGPで最も柔らかいハイパーソフトタイヤをデビューさせるが、ダニエル・リカルドはそれをグランプリ週末の定番にすることを考えるべきだと語る。 「全てのレースでハイパーソフトを使えるようにしたらダメかな?」とダニエル・リカルドはコメント。「あるいは少なくともそれで予選をやって、後から考えるようにすればいいと思う。せめて予選タイヤを用意して、レースではもっとチャンスを作り出せるように違いの大きなタイヤを使えるようにできればいいのにね」「トップ6は(F1スペインGPの)金曜日の段階からソフトで予選をやって、ミディアムで1ストップにトライすることは明白だった。それは秘密でも何でもない。そういうことだと思う。もっとオプションを増やし、サプライズを増やすことを考えるべきだ。だって今は予想するのが簡単すぎるからね」 この意見についてマリオ・イゾラは「こうした状況で予選用としてハイパーソフトを使うことは可能だが、現行のレギュレーションではレースでそれを使うことが義務づけられてしまう。それは簡単ではない。全ての可能性を考慮しなければならない」と語った。