ピレリが、F1初年度の締めりとなったブラジルGPを振り返った。F1ブラジルGPではピレリの新型P Zeroイエロー・ソフト・コンパウンドが初めてレースで使用された。これは、2012年に新たなプロファイルとしてミディアム・タイヤのベースとなるもの。来シーズンは、スーパーソフト・コンパウンド以外の全てのスリックタイヤが変更され、2012年2月にスペインで行なわれる公式テストでデビューすることになる。
最終戦ではレッドブル・レーシングのマーク・ウェバーが今季初勝利を飾った。ポールポジションからレースをリードしていたチームメイトのセバスチャン・ベッテルがギアボックス・トラブルでペースを落としたため、ウェバーは29周目にリードを奪った。ウェバーは3回ストップ作戦を採り、ソフト・タイヤ3セットとミディアム・タイヤ1セットで走り、ベッテルに16.9秒差をつけて勝利を収めた。ウェバーにとってキャリア通算7勝目で、これによって今シーズンのチャンピオンシップで3位の座を確保した。レース開始の約1時間前には、インテルラゴスのパドックに僅かに雨粒が落ちた。しかし、グランプリはドライコンディション、気温24℃でスタート。実際にそうはならなかったものの、雨が降った場合の戦略を柔軟にするために、全24台がP Zeroイエロー・ソフト・タイヤでスタートに臨んだ。マクラーレンのジェンソン・バトンは、他に先駆けて31周目にP Zeroホワイト・ミディアム・タイヤへ交換。チームメイトのルイス・ハミルトンとは異なる戦略をとった。上位4人は3回ストップ作戦で、フェラーリのフェリペ・マッサは2回ストップ作戦では最上位の5位となった。彼はソフト・タイヤで2スティントをミディアム・タイヤで最終スティントを走行した。ジェンソン・バトンは52周目に最後のピットストップを行ない、P Zeroホワイト・ミディアム・タイヤを2スティント使用した唯一のドライバーとなった。彼は、最終スティントを通して激しくプッシュすることができ、残り9周で3位に浮上。バトンにとって過去9戦で8回目の表彰台獲得であり、これによってドライバーズランキング2位の座を手中にした。レースのファステストラップは、最終ラップにマーク・ウェバーによってP Zeroホワイト・ミディアム・タイヤで記録。ウェバーにとって、ピレリ・タイヤで今シーズン8回目のファステストラップ記録となった。ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)「予報されていた雨が降らず、多くの人々が予想した通りのレースとはなりませんでした。シーズン最終戦で、メカニカル・トラブルが発生したマシンも何台かありましたが、我々のタイヤは、今シーズンここまでのレースと同様に、構造上のトラブルは一切なく、完璧な信頼性を発揮してくれました。そして、両コンパウンドのパフォーマンス差を1秒以下とするという目標も達成することができました。これは来年も引き継がれるはずです。今シーズンはF1史上最多のオーバーテイクが見られ、我々の期待を上回るシーズンとなりました。ミラノ、ディドコット、そしてイズミットのスタッフたちの素晴らしい仕事ぶりに感謝したいと思います。彼らはみな、この成果を誇りに思うでしょう。また、各チーム、各ドライバーたちの惜しみない支援、アドバイス、協力にも感謝したいと思います」
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