アルピーヌのピエール・ガスリーは、F1シンガポールGPでの厳しい週末を終えた後、「退屈なレースだった」と述べ、現在のマシンを「運転していて楽しくない」と率直に語った。予選失敗によりピットレーンスタートとなったガスリーは、決勝で下から2番目の19位でフィニッシュ。オーストリア紙『クローネ・ツァイトゥング(Krone Zeitung)』に対し、ペース不足のため戦う余地がまったくなかったと明かした。
「ピットレーンからスタートして、50周ずっと前のクルマのリアウイングの後ろにくっついていただけ。単純に退屈なレースだった」とガスリーは語った。シンガポール特有の過酷な暑さについて尋ねられると、彼は皮肉を交えて答えた。「大丈夫だったよ。遅すぎて体力的にきつくなることもなかった」と『クローネ・ツァイトゥング』紙に引用されている。「今はこういう走り方をしていても、まったく楽しくない。僕たちは本当に競争力が足りない。戦えないのはただただフラストレーションが溜まる」と付け加えた。アルピーヌはベルギーGP以来ポイントを獲得できておらず、不振は数戦にわたって続いている。「正直言って、ここ数戦はまったく良くない。全体的に見ても、上手くいっていない感じだ」とガスリーは認めた。エンストンのチームは大規模な再編を進めており、2026年からメルセデス製カスタマーPUを導入することでパフォーマンス改善を約束しているが、ガスリーの忍耐は限界に近づいているようだ。「それでも挑戦し続けるしかない」と彼は語った。「前を走るクルマにプレッシャーをかけて、ミスを誘う。それが僕にできるすべてのことだ」29歳のガスリーは、スピンを喫したザウバーのニコ・ヒュルケンベルグを上回る19位でレースを終えた。「チームと一緒に話し合って、いくつかのことを整理し、改善していく必要がある。オースティンは僕たちに合うサーキットのはずだ」と語った。