セルジオ・ペレスは2024年末にレッドブルを離れて以来、初めてF1マシンに姿を見せ、その直後からミルトンキーンズのチームで経験した“悪夢”を完全に乗り越えたことを示した。今週、イモラの伝統的なサーキットで、30年ぶりとなる“黒いフェラーリF1マシン”が走行した。キャデラックがF1コンストラクターとして初めてのテストに臨んだためだ。
キャデラックはフェラーリとのエンジン供給契約によって、2028年末までフェラーリからパワーユニットの供給を受けることになっており、この関係を通じて新チームの多数のスタッフがグランプリで求められる数々の作業を初めて体験した。フェラーリのエンジニアたちは未来のライバルとなる相手にアドバイスを提供し、レース中に行われる高速ピットストップのこなし方や、タイヤを最適に準備するための方法を伝授した。模擬的なグランプリ形式の作業はチーム全体にとって有益だったが、特にステアリングを握ったペレス本人にとって大きな収穫となった。キャデラックF1初テストで見せた“復活の走り”Motorsport.comのレポートによれば、キャデラックがイモラでサーキットを借り切った2日間は、アメリカの新チームを包む雰囲気がきわめて明るく、前向きなものだったという。ペレスはテストの中で、全長3.05マイルのイモラを184周走行した。これはグランプリ3回分に相当する距離だ。レポートは、35歳の彼が最初の周から“プッシュし始め”、F1マシンに戻れたことに“明確な”喜びを示していたと伝えている。“ルクレール比較”で浮かび上がるペレスのタイムテスト初日、ペレスが記録した最速ラップは、シャルル・ルクレールが2022年のイモラFP2で残したタイムより“ほぼ1秒速かった”とされる。今回使用されたマシンは、2022年型の後継である2023年仕様のSF-23で、2023年のエミリア・ロマーニャGPは洪水による中止のため比較対象は2022年のデータとなる。さらにペレスは翌日、ハードタイヤにもかかわらず1分17秒270という“優れた”ラップを記録した。このタイムは、ルクレールが2024年FP1で記録した1分16秒990にわずかに届かない程度だった。キャデラック側はペレスのペースに非常に満足しており、特にレッドブル時代の“悪夢”が彼の才能を損なっていないことに安堵したという。フェラーリとキャデラックの連携がもたらした収穫テストでは、フェラーリのエンジニアがキャデラックのスタッフに対して、タイヤの準備やピットストップの手順など、グランプリ運営に必要な知識を直接伝えた。キャデラックの新加入スタッフにとって、実際のF1現場の作業フローを経験できる貴重な機会となった。“模擬グランプリ”形式で行われた作業は、チーム全体の理解を深め、実戦で必要な要素を掴むための助けとなった。キャデラックF1は2026年、どの位置に着地するのかキャデラックは2026年、新規参入初年度を迎えることになる。前回の新規勢は2016年のハースで、開幕年を8位で終えている。エンジンについては、ゼネラルモーターズが将来的に独自パワーユニットを製造する計画だが、当面はフェラーリのカスタマーチームとして参戦する。Sky Sportsのテッド・クラビッツは、2026年において「キャデラックはレッドブルより強力なエンジンを得る可能性がある」との見方を示している。キャデラックF1は2026年に向けて順調な滑り出しイモラでの2日間のテストは、キャデラックF1が2026年の参戦初年度に向けて本格的に動き始めたことを象徴する出来事となった。ペレスは旧型フェラーリを用いながらもすぐに適応力を示し、チーム全体もF1の作業に初めて触れる大きなステップを踏んだ。ペレスの走行データは、キャデラックF1が参入初年度において決して劣勢ではないことを示す材料となり、チームは確かな手応えを得た。Source: F1 OVERSTEER
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