メルセデス出身のパスカル・ウェーレインが、今シーズンのフェラーリのF1シミュレータードライバーの役割を担うことになった。メルセデスの育成ドライバーだったパスカル・ウェーレインは、2015年に史上最年少でDTMチャンピオンを獲得。2016年にマノー、2017年にザウバーでF1を戦ったが、シートを確保することができず、昨年はメルセデスからDTMに復帰。
しかし、メルセデスのDTM撤退に伴って、新たなチャンスを求めてメルセデスとの育成ドライバー契約を解消。今季はマヒンドラからフォーミュラEに参戦することが決定していたが、昨年の12月31日までメルセデスとの契約が残っていたため、サウジアラビアで開催されたフォーミュラE開幕戦に出場できず、今週末のマラケシュでデビューを果たす。フェラーリは、パスカル・ウェーレインの役割について発表はしていないが、フォーミュラEの活動と並行して、2019年のフェラーリの開発兼シミュレータードライバーを務めることになる。近年、F1チームではシミュレーターで開発を進める割合が高まっており、チームはコース上からのライブデータに基づいて専用のシミュレータードライバーを配置してマシン開発を行っている。 昨年、フェラーリではダニール・クビアトとアントニオ・ジョビナッツィでレース週末を含めてシミュレーターで作業を行い、フェラーリ SF71-Hの開発とセットアップに貢献していた。しかし、今年、ダニール・クビアトはトロロッソ、アントニオ・ジョビナッツィはザウバーのF1シートを獲得したことで、フェラーリにはF1経験のあるシミュレーター兼開発ドライバーが不在となっていた。パスカル・ウェーレインは、今週月曜日に初めてマラネロのフェラーリの本拠地を訪問したと Autosport は報じている。また、もう一人の開発ドライバーについては現在も検討中だという。フェラーリは、2018年に開発チームを駆使して、金曜日から予選とレースに向けてパフォーマンスを向上させてきた。最も顕著な例はカナダGPで、金曜日のプラクティスではセバスチャン・ベッテルはまったく競争力を発揮できなかったが、土曜日の予選ではポールポジションを獲得し、日曜日のレースで優勝している。セバスチャン・ベッテルは、シミュレータードライバーの重要性について次のように述べている。「要点を得るにはとても重要だし、非常に重要なツールだ。プラクティスで発見したことに基づいて予選に向けてクルマを変更して良くなっていたし、僕たちはクルマにより満足できた」「そのようなことが起こったの初めてではないし、僕たちは彼らが時間を費やしてくれたことに本当に感謝している。特に若いときは、金曜日の夜にやるには最高の仕事とは言えないからね。でも、ちりも積もれば山となるような重要な仕事だ」「全員がそれぞれの役割を果たしている。最終的に、全員がパフォーマンスを伸ばそうと努力しているマシンのステアリングを握ってドライブする僕たちは光栄だ」「実際、2019年に向けて僕たちは対策を講じているけど、迅速にうまくフィットする人材を見つけることができると思っているし、その点で僕たちが強力なチームを組むことができると確信している」