“ハマのドン”こと藤木幸夫氏が、横浜市が山下埠頭へのIR(カジノを含む統合型リゾート)誘致を表明したことに激怒。「カジノではなくF1とディズニーを」と訴えた。8月22日に横浜市の林文子市長がカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致を表明したことを受け、藤木幸夫氏は「山下ふ頭は我々の聖地。命を懸けて反対する」と緊急会見を行った。
藤木幸夫氏は、横浜港を中心に港運、荷役、倉庫などを営む藤木企業の会長。横浜港ハーバーリゾート協会、横浜港運協会、横浜エフエム、横浜スタジアムの会長も務めており、二階俊博自民党幹事長ら政界とのパイプも太く「ハマのドン」として知られる人物だ。横浜港運協会全244社が参加する横浜港ハーバーリゾート協会は今年6月、カジノに依存しない再開発計画“山下ふ頭再開発に関する見解と要望”を林横浜市長あてにを提出していた。この計画の三本柱は、国際展示場・見本市、F1などのイベント、ディズニークルーズの拠点化となっている。また、水上裕之・横浜港運協会常務理事は、横浜市の経済波及効果の説明について「カジノが儲かってMICE(国際会議や展示会などのこと)が儲からないという横浜市の説明は、カジノ業者の受け入りです。子どもたちが健全に育つためには、ギャンブルとF1、ディズニーどちらがよいか明らかでは」と指摘した。「今年1月にFIA(国際自動車連盟)の幹部が来て会いました。彼らは世界中の候補地を常に探しているそうです。F1レースの場所として理想的な場所だとびっくりしていました。こちらがやりたいというのではなくFIAがぜひここでやらしてほしいと言っているんです。F1の日本の代理店も検討しています」現在日本の開催地である三重県の鈴鹿サーキットに関しても「交通の便が悪く観光地になっていない。他国のF1では、レース終了後に世界トップクラスのアーティストがコンサートを開いている。横浜なら可能だ」と主張している。横浜市は、2011年6月に日本初となる公道F1デモ走行を実施。会場となった元町商店街には1万1000人の観客が訪れた。