2009年のF1はシーズン中のテストを禁止としているが、変更される可能性がある。先週アルガルベテストに参加したテストチームのスタッフによると、KERSのバッテリー性能がすぐに低下し、レース距離すべてでの完全な動作に確証が得られないため、シーズン中に少なくとも3回のテストを実施するという動きがあるという。コスト削減対策のひとつとして、F1の10チームは、年間のテスト距離を15,000kmに制限し、オーストラリアGPの始まる週からシーズン最終戦のアブダビGPまでテストを禁止することに同意した。
そのためテストチームはすべて解散されることになり、ルノーはすでにテストチームのメンバーと契約終了の交渉を始めている。しかしアルガルベでは、テストチームのマネージャーらが集り話し合いが行われ、トップチームのあるマネージャーは、チーム間で年間少なくとも3回のテストセッションを認める話し合いが進んでいることを明らかにした。「KERSはどのチームにとっても新しく、信頼性において望ましいレベルに達したチームはまだない。この1年は以前よりテストが少なくなったので移行期にするのが合理的であり、シーズン序盤にテストを数回実施すれば問題の克服に役立つだろう。5〜6台のマシンしか完走しないようなレースは誰にとっても利益にならないので、2009年規約の変更について同意を得ようとしている」注意するべきは、テスト禁止はFIAによって課せられているのではなく、FOTAに関わる全F1チームの紳士協定の一部であること。この協定を変更するためには全チームが変更を受け入れる必要があるため、この計画に対する反対もあり得る。しかし、通常は弱小チームがこのような変更を妨害するものだが、今回はそうではなさそうである。トロ・ロッソとフォース・インディアは、3月1〜4日にヘレスで開催されるテストセッションにマシンを用意できるかどうかさえ定かではなく、現時点では、1週間後のバルセロナのテストに参加すると発表しているのみである。したがって、彼らはメルボルンまでのシーズン前テストとしては新車で4日間しか走行しない可能性が高い。シーズン前半にテストが追加されれば、彼らは恩恵を受けるはずなので、この変更を喜んで受け入れるだろう。また、ホンダF1チームは、買い手が誰になろうと、全くテストを行わないままオーストラリアに向かうことがほぼ確実でああるため、テスト禁止の改定は好都合となるだろう。