童夢は、ストラッカ・レーシングと新型LMP2カー『Strakka DOME S103』の開発、販売、そしてレース活動において協力体制をとることで合意したことを発表した。1975年に林みのるによって設立された童夢は、1979年にル・マン 24 時間耐久レースに初参戦。過去38年に渡り、一流のレーシングカーコンストラクターであり、童夢自らモータースポーツ活動も行っている。
シルバーストンを本拠地とするストラッカ・レーシング(Strakka Racing)は、6年連続でル・マン 24時間耐久レースに参戦。2010年にはLMP2 優勝(全体5位は新記録)、2013年にはLMP1プライベーターアワードを受賞している。2012年にストラッカ・レーシングはFIA 世界耐久選手権のLMP1プライベータークラスにおいて第2位、2010年、2011年にはル・マン シリーズのLMP2クラスでも第2位の結果を残している。童夢は今回の提携について「本質的には童夢はレーシングカー・コンストラクターですから、本来は、優秀なレーシング・チームとタイアップして結果を残していく形が理想だったのですが、なかなか良いパートナーと巡り合えず、ついつい自らがレース活動にまで手をのばすような中途半端な状況が続いてきました」と説明。「ルマン用レーシングカーの開発を続けることには大いに興味を持ちつつも、脆弱なレース体制により充分な結果を残せない中途半端な状況には辟易していたので躊躇していたところ、かねてより、童夢製のLMP2でのレース参加を希望していたストラッカ・レーシングとの話し合いが発展し、今後、長期的な展望の元、各々が、レーシングカー・コンストラクターとレーシング・チームという役割を分担しながら、最大の相乗効果を発揮していくことで合意しましたので、先般、契約を締結し、現在、その最初のレーシングカーとなる童夢S103(LMP2)を開発中です」『DOME S103』は、現在、童夢で設計中だが、実際の車両の製作は、童夢とストラッカ・レーシングの共同作業として英国を中心に行なわれる。最初の『Strakka DOME S103』は、Nissan VK45 4.5L LMP2ガソリンエンジンを搭載し、来年のFIA 世界耐久選手権にシリーズ参戦する予定で、現在、選考委員会の承認を待っている状態。4月18〜20日のシルバーストン 6時間耐久レースでのデビューを予定している。鮒子田 寛(童夢社長)「我々はストラッカ・レーシングとチームを組むことを嬉しく思っています。このパートナーシップにより、我々は最新鋭のS103を製作し、世界中のサーキットでレースすることができます。ストラッカ・レーシングのル・マンにおける結果や、ル・マン Seriesと世界耐久選手権のパフォーマンスも我々の印象に残っており、そこに我々のスポーツカーレースにおける経験が加われば、車両の性能を最大限に引き出すことができるでしょう。我々はStrakka DOME S103が、競争力があって、望ましいコストキャップに収まるLMP2レースカーになることを確信しています。」Dan Walmsley (ストラッカ・レーシング チームマネージャー)「童夢との新たなパートナーシップは、ストラッカ・レーシングの歴史において、エキサイティングで新たらしい段階を意味し、我々とスポーツカーレースとの関係をより一層深めるだろう。2013年のFIA 世界耐久選手権への参戦を途中で止めるという難しい決断を経て、WECの開幕戦が5か月後に差迫った中、我々は2014年シーズンの始まりに新たな車両の組み立て、テストに挑戦出来るよう集中している。スケジュールはとても厳しいが、我々、ストラッカ・レーシングと童夢は、目標を達成し、速くて、信頼性もある、競争力の高いマシンをデビューさせることを確信している」Nick Leventis「ストラッカ・レーシングは、スポーツカーレーシングにおいて、成功を収めて来ました。童夢とのパートナーシップはStrakkaチームが世界的なモータースポーツブランドになるために重要かつ当然のステップであると考えます。2013年の世界耐久選手権の残りのシリーズに参戦しないという決断は簡単ではありませんでしたが、WECとACOが理解を示してくれたことに感謝しています。今、目の前の挑戦は我々の未来を見据えており、予定通りStrakka DOME S103の開発が進めば、将来のFIA 世界耐久選手権への参加を示唆すると確信しています」
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