日産は、1980年代後半から90年代前半にかけて成功を収めてきた米国のスポーツカーレース活動に復帰する。オフィシャルパートナーチームとして日産と活動するのは、マッスルミルク・ピケットレーシング。アメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS)で連覇を果たしたマッスルミルク・ピケットレーシングは、2014年から始まるチュードル・ユナイテッド・スポーツカー選手権に、日産エンジン搭載車両で参戦する。
日産は、1988年から1991年にかけて米国のスポーツカーレースを席巻しており、ドライバーズタイトルを4回、マニュファクチャラーズタイトルを3回獲得しているほか、IMSAでのレース勝利数は33を記録している。マッスルミルク・ピケットレーシングのルーカス・ルアー、クラウス・グラフと共に、ニスモグローバルドライバーエクスチェンジの一環として、日産のグローバルドライバー陣がプログラムに参加していく。ルアーが日産のプログラムに参加するのはこれが初めてではなく、2011年にはミハエル・クルムと共にNISSAN GT-RでFIA GT1世界選手権のチャンピオンに輝いている。デイトナ24時間では、昨年のFIA世界耐久選手権(WEC)で日産のLMP2マシンをドライブしたアレックス・ブランドルがチームに加入。英国期待の若手ドライバーであるブランドルの父は、マーティン・ブランドル。26年前の1988年には、米国のラウンドクロック耐久クラシックを制しており、アレックスは父に続き、米国でのレースに挑戦する。今回のデイトナ24時間は、ブランドルにとって初めて参戦する米国トップレベルのレースとなる。二世ドライバーのブランドルは、2013年のWECにOAKレーシングから参戦しシリーズ2位につけたほか、ル・マン24時間でもLMP2クラス2位に入った。そのほか、セブリング12 時間、プチ・ル・マンでも、日産のドライバーがマッスルミルク・オレカ03プロトタイプクラスに参戦する。昨年から始まったニスモグローバルドライバーエクスチェンジプログラムは、日産/ニスモのレーシングドライバーに、世界各地の名門レースに参戦する機会を生み出している。日産エンジンを搭載したマッスルミルク・ピケットレーシング・オレカ03はデイトナ24時間の前哨戦として知られるロアー・ビフォー・ザ・24にテストを兼ねて参戦する。日産グローバルモータースポーツダイレクター ダレン・コックス「日産のパートナーとしてマッスルミルク・ピケットレーシングを迎えることをうれしく思います。数々の成功を収めた名門チームから、我々のオフィシャルドライバーが多くを学ぶことを期待しています。グレッグ・ピケット率いるこのチームは、ここ数年目覚ましいリザルトを挙げており、彼らがニスモグローバルドライバーエクスチェンジプログラムに加わることは、我々のドライバーたちにとって絶好の機会が増えることになります。 2011年にミハエル・クルムとGT1世界選手権を制したルーカス・ルアーと、再び共に活動できることもうれしいですね。ルーカスとクラウス・グラフは、ここ数年、米国のレースで目覚ましい活躍を収めており、2014年は日産エンジン搭載車両でもこの勢いをつなげてくれることを楽しみにしています。また、日産が米国のスポーツカーレーシングでの活動を再開できることを非常に誇りに思います。日産は、過去IMSAにおいてすばらしい実績を築いており、これから日産とニスモがこの歴史に輝かしい記録をさらに加えることを確信しています」マッスルミルク・ピケットレーシング オーナー グレッグ・ピケット「日産のパートナーチームに加わること、そして日産がマッスルミルク・ピケットレーシングの仲間として活動できることは、このうえない喜びであります。日産は世界を通じてレースでの勝利を挙げており、我々がこれまで培ってきた成功をさらに続けて行くためにも、日産との強い絆を築いていきたいと思っています。我々のプロトタイプマシンに日産エンジンを搭載するだけでなく、深いレベルまで互いに関わりを持つことになり、我々はとても活気づいています。ニスモグローバルドライバーエクスチェンジのプログラムを立ち上げた日産は、才能ある若きドライバーが多く、シーズンを通して彼らを起用していきます。デイトナではまず、アレックス・ブランドルが登場します。マッスルミルク・オレカ・ニッサンにアレックスが乗り込む姿を見るのが待ち切れません。クラウスやルーカスと共に活躍してくれると自信を持っています」マッスルミルク・ピケットレーシング ドライバー アレックス・ブランドル「デイトナ24時間に参戦することが楽しみでなりません。マッスルミルク・ピケットレーシング、日産と共に総合優勝を目指すというチャンスは、私のキャリアの中で素晴らしい形でのステップアップとなります。悲願だったこのイベントに参戦できるチャンスをついにつかむことができて、本当にうれしく思います。この機会を与えてくれた日産のダレン・コックス、ピケットレーシングには、心から感謝しています。マッスル・ミルクは米国スポーツカーレーシングにおいて驚異的な記録を持っているので、このような米国の名門チームから参戦できるなんて最高です。私も負けないような活躍ができることを楽しみにしています。クラウスとルーカスは米国のシリーズで活躍中なので、彼らから効果的に吸収できると思います。この挑戦を楽しみにしています。日産エンジンは昨年のWECで敵なしの強さを誇っているので、自信を持ってテストに臨むことができます。このエンジンは大トルクを発生すると共に信頼性も優れており、それは昨年のOAKレーシングで披露したパフォーマンスにも表れていますし、ル・マン24時間に参戦した2台も好成績を挙げています」