中嶋一貴が、2010年にF1でのシートを失う可能性が高まった。中嶋一貴が所属するウィリアムズは14日、今シーズン限りでトヨタとのエンジン契約を終了することを発表。ウィリアムズは2010年、中嶋一貴の代わりに今シーズンのGP2チャンピオンであるニコ・ヒュルケンベルグを起用することが確実視されている。
中嶋一貴は、2007年にウィリアムズがトヨタとエンジン契約を結んだと同時にテストドライバーとしてウィリアムズに加入。この決定にはトヨタの協力があったことを一貴自身も認めている。同シーズンの最終戦ブラジルGPからレースドライバーに昇格した中嶋一貴だが、今シーズンは同じマシンをドライブするチームメイトのニコ・ロズベルグが34.5ポイント獲得しているのに対し、中嶋一貴は16戦を終えた段階でノーポイントと結果を出せていない。来年、中嶋一貴がF1シートを獲得できるチームとしてはトヨタがあるが、トヨタはF1参戦初優勝に向け、来年は現在のドライバーラインナップを解消してでも勝てるドライバーを獲得するとの意向を示している。また、トヨタには今週末のブラジルGPでF1ドライバーを飾る小林可夢偉も所属しており、今週末の活躍によっては来シーズン正ドライバーとなる可能性もないわけではない。中嶋一貴はTDPに所属する“トヨタドライバー”であり、今シーズン成績も残せていないため、すんなりと他チームに移籍する可能性は極めて低いと思われる。トヨタが来年から新規参戦する新チームにエンジンを供給することがあれば、そのチームに所属できる可能性もある。トヨタもいくつかのチームと交渉していることを明らかにしているが、現状ではそのようなまだ話は出てきていない。トヨタのテストドライバーとしてF1に残る道が現実的な選択肢であるように思えるが、トヨタのF1継続も疑問符がもたれているような状態である。トヨタがどのような判断を下すか、中嶋一貴の今後に注目したい。関連:中嶋一貴 「シートを失うかもしれない」 - 2009年9月24日中嶋一貴、F1シート獲得におけるトヨタの協力を認める - 2009年5月5日
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