映画『F1/エフワン』が世界的な大ヒットを記録し、主演のブラッド・ピットにとってもキャリア最大の興行収入作品となった。6月27日に日米同時公開された『F1/エフワン』は、公開からわずか6週間で全世界興収5億4,600万ドル(約819億円)を突破し、これまでピットの代表作として知られていた2013年公開の『ワールド・ウォーZ』の5億4,000万ドル(約810億円)を上回った。
『F1/エフワン』は、Appleが製作した劇場公開作品としても過去最大のヒット作となり、リドリー・スコット監督の『ナポレオン』(2億2,100万ドル)、マーティン・スコセッシ監督の『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン』(1億5,700万ドル)といった話題作を大きく凌駕している。ブラッド・ピットは本作のプロモーションのために来日を果たすなど、積極的に広報活動を展開。その結果、興行面でも大きな成果を上げ、彼のキャリアにおいて新たな節目となった。意外にも、ピットはこれまでスーパーヒーロー映画に出演しておらず、10億ドル超えのメガヒット作品も未経験であることから、『F1/エフワン』と『ワールド・ウォーZ』が彼の興収トップ2作品であるという事実は興味深い。なお、『ワールド・ウォーZ』はマックス・ブルックスの同名小説を原作とし、ウイルスによって凶暴化する人間たちの原因を探る元国連捜査官をピットが演じた作品。続編はデヴィッド・フィンチャー監督との再タッグで進められていたが、製作費などの問題により2019年に中止となった。一方、『F1/エフワン』の成功を受けて、米Variety誌はAppleがすでに続編の検討に入っていると報じており、ピット自身も『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)の続編にフィンチャー監督と取り組んでいることが伝えられている。『F1/エフワン』は現在も一部劇場で公開中だが、年末までにはApple TV+での配信開始が見込まれている。ホリデーシーズンに、世界を駆け抜けるF1マシンの迫力を自宅で体感できる日も、そう遠くはなさそうだ。
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