ジョセフ・コシンスキー監督による話題のF1映画『F1/エフワン』が千週、ニューヨークで世界初上映され、架空のApex GPチームを描いたこの作品が注目を集めている。会場となったタイムズスクエアにはF1マシンが並べられ、華やかなプレミアナイトとなった。主演のブラッド・ピットもプレミアに登場し、6月27日に日本でも公開される本作の制作における難しさについて語った。
61歳のピットは、F1映画制作において「スポーツとしてのF1への忠実さ」と「新しい観客への入り口としての分かりやすさ」のバランスを取ることが最も難しい課題だったと明かした。「一番難しかったのは、物語をどう作るかだった」とピットは語る。「このスポーツは非常に尊敬されているし、とても詳しい人たちがたくさんいる。一方で、F1をまだ見たことがない人たちも多い。“分かっている人にとっては退屈にならず、それでいて初めて触れる人たちには魅力的に映るように”という、その針の穴を通すような演出を目指したんだ。それが本当に大変だった。けど、僕らはかなりうまくやれたと思う」映画のリアリティを追求するために、製作陣はF1の7度のワールドチャンピオン、ルイス・ハミルトンをプロデューサーとして起用した。『トップガン マーヴェリック』で成功を収めたコシンスキー監督は、ハミルトンの関与が非常に大きな意味を持ったと語る。「ハミルトンは技術的な細部にまで関わってくれた。彼のアドバイスは本当に興味深いものだった」とコシンスキーは語る。「たとえばハンガリーで、ブラッドがブルーフラッグで後続に譲るシーンがあったとする。で、(ハミルトンが)“できるだけタイトにやってほしい”っていうんだ。そうなると、(譲るのは)ターン6でしか無理なんだよね。そういう細かい部分まで、彼がいなければ絶対にわからなかった」