MotoGP オランダGPの初日、Movistar Yamaha MotoGPのマーベリック・ビニャーレスとバレンティーノ・ロッシはフリープラクティスに臨みそれぞれ総合トップと4番手を獲得し好調なスタートを切った。ビニャーレスは得意のサーキットということもあり、第1セッション序盤から順調にペースを上げ、1分34秒550を記録して早々にトップに浮上した。そのあとは主にセッティングに時間を使ったが、セッション終盤になって全体のペースが上がるとビニャーレスも1分34秒404へ更新し、トップと0.177秒差で2番手となった。
午後からの第2セッションではYZR-M1のバランス最適化に取り組む一方で、気温の上昇とともにラップタイムも急速に向上。セッションの最後には1分33秒378まで短縮してトップに浮上。2番手との差は0.121秒だった。昨年、このオランダGPで優勝しているロッシは、ベースセッティングに取り組みフロントタイヤのフィーリング向上を目指し、マシンバランスの最適化に多くの時間を割いた。セッション終盤になると、前後にミディアムタイヤを装着して1分34秒513をマーク。トップに0.286秒差まで迫る3番手に浮上してセッションを終了した。第2セッションでも45分間のほとんどを同様の作業に費やし、終盤でその成果を確認するためペースアップ。走り慣れたサーキットで1分33秒779まで更新し、ビニャーレスに0.401秒差の4番手で初日を終えた。Monster Yamaha Tech3のヨハン・ザルコは順調にスタート。フリープラクティスの第2セッションでは第1セッションのタイムを1秒短縮し、Q2進出の基準となる暫定トップ10に入った。チームメイトのハフィス・シャーリンも、第2セッションでは1.592秒も短縮して総合12番手を獲得して好調をアピールした。Movistar Yamaha MotoGPマーベリック・ビニャーレス (フリー走行総合トップ/1分33秒378)「前回のカタルニアでは、主に苦労したスタートから序盤についての細かな修正に取り組みました。レース終盤には調子が上がっていったので、序盤でよりよいフィーリングをつかむことが必要だったのです。結果、ここアッセンでは、チームのみんなの努力もあってマシンがよく走ってくれ、とてもうれしいです。明日以降も引き続き集中し、細かいところにこだわってさらに調子をあげていきたいと思っています。前回は苦戦したスタートで自分のベストを発揮できるようがんばります。どこまでやれるか現時点では予測できませんが、決勝に向けレベルは上がっています」バレンティーノ・ロッシ (フリー走行総合4番手/1分33秒779)「過去の成績から考えれば、ここアッセンではいい走りができるはずですが、実際にどうなるかは誰にもわかりません。でも少なくとも初日の今日は、午前も午後も順調でトップ4をキープできたのでよかったと思います。マシンがよく走ってくれているし、タイヤもよい状態なので、思い切りプッシュしていくことができました。その結果、多くのラップでハイペースを維持することができたのです。でも同時にライバルたちも非常に速く、ペースは同等と言えるでしょう。だから明日以降も作業に集中し、タイヤについても決勝用のベストを探していきます。日曜日までこの好天が続くよう願っています」マッシモ・メレガリ (チームディレクター)「アッセンを順調にスタートすることができました。マーベリックは初めからプッシュし、マシンを乗り換えながらいろいろなテストを行いました。2台とも決勝用のセッティングでしたが、マシンのフィーリングが非常によく、1分33秒378という好タイムを記録することができたのです。これがチームにとっても大きな自信になっていますが、これで満足しているわけではなく、明日以降さらに向上を目指していきます。バレンティーノは両セッションともにフロントのフィーリング向上に取り組みました。とくに第2セッションでは、ほとんどの時間を費やしましたが、それでも4番手のタイムを記録できたのはよかったと思います。明日も引き続きこの課題に取り組み、バレンティーノが気持ちよく走れるようなマシンに仕上げていきます。全体的にはここまで非常に順調です。日曜日の決勝に向けて準備に集中します」Monster Yamaha Tech3ヨハン・ザルコ (フリー走行総合10番手/1分34秒133)「最初のセッションは苦戦しました。スライドが激しく、思うようにマシンコントロールができませんでした。試行錯誤した結果、制御が課題だとわかったのです。そして午後のセッションでは大幅にステップアップ。ラップタイム更新にもつながりました。転倒もありましたが、幸い痛みはありません。なによりも不調の原因がわかったことが重要です。フィーリングがよくなったので、これを維持しながらさらに向上を目指します。今日は苦労しましたが走りをエンジョイできているので、それ自体がまたトップグループに加わるための大きな助けになってくれるでしょう」ハフィス・シャーリン (フリー走行総合12番手/1分34秒246)「トップとの差は0.8秒。初日のフィーリングは上々で、もっとうまくやれるという気持ちもありました。しかし、このようなときにこそ困難が待っているものです。実際、タイムアタック中に何人かのライバルにつかまってしまいました。いずれにしても、ここからもっとラップタイムを上げていけると感じているので、総合的にはとても順調です。第1セッションではコースを学び理解することに集中しました。第2セッションはフィーリングがとてもよくなり、前回のカタルニアと同じようにトップ10に近づくことができました。またルーキー勢トップに立つことができたので、このポジションをキープし、Q2進出を目指していきたいと思っています。明日はもう一歩前進できると確信しています」
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