2018 MotoGP 第4戦のスペインGPが、5月6日にヘレス・サーキットで開催され、Movistar Yamaha MotoGPのバレンティーノ・ロッシとマーベリック・ビニャーレスは厳しい状況のなかで奮闘し、バレンティーノ・ロッシが5位、マーベリック・ビニャーレスが7位でチェッカーを受けた。バレンティーノ・ロッシは10番グリッドからスタートすると、ポジションをひとつ上げ序盤はアンドレア・イアンノーネ(スズキ)とバトルとなる。
しかし追い上げてきたダニ・ペドロサ(ホンダ)に先行を許すが、この間に前方で転倒があり8番手へポジションを上げる。中盤は後方から迫るジャック・ミラー(ドゥカティ)を抑えながら、ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)にしかけるも前に出ることはできない。しかしこのあと2番手争いを繰り広げる3台がクラッシュでリタイア。これで5番手に上がると3位争いの後方について表彰台を目指した。残り5ラップではミラーに先行を許し6番手とするが、2ラップ後には抜き返しペースを上げて前との差を詰めてゆく。しかしわずかに届かず、そのまま5位でチェッカーを受けた。トップとの差は8.743秒だった。マーベリック・ビニャーレスは、スタートでバレンティーノ・ロッシに続き10番手でオープニングラップを終えたが、4ラップ目には13番手に後退。そのあと前方での転倒でふたつ順位を上げたが、7ラップ目にはアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)を抑えきれずに先行を許してしまう。しかし18ラップ目に前方で多重クラッシュがあり9番手に浮上すると、この勢いで2ラップ後にはフランコ・モルビデリ(ホンダ)をパスし、さらに21ラップ目には自身のファステストラップをマーク。これでバウティスタとの距離を詰め、残り2ラップとなったところで抜き返して7番手へ浮上すると、トップから13.543秒差の7位でチェッカーを受けた。この結果、マーベリック・ビニャーレスは50ポイントとしてランキング3位、バレンティーノ・ロッシは40ポイントでランキング6位。コンストラクターズランキングは76ポイントで2位をキープ。チームランキングはトータル90ポイントでトップを守っている。月曜日はここへレスサーキットでIRTAオフィシャルテストに参加し、来週はイタリアでチームのプライベートテストを行う。Monster Yamaha Tech3は、ヨハン・ザルコが見事なレース展開でヤマハ勢トップの2位とし、今季2度目の表彰台に上った。2週間後にチームと自身のホームレースを控え、ランキング2位に浮上した。チームメイトのハフィス・シャーリンは痛みに耐えながら過酷なレースを走り切って16位でゴール。ポイント獲得には届かなかったが、今回もまたMotoGPの経験を積み重ねた。Movistar Yamaha MotoGPバレンティーノ・ロッシ (5位)「前方で3台が転倒したとはいえ、今週のペースを考えれば5位という結果は上出来です。全力を尽くして戦いましたし、いいレースだったとは思いますが、残念ながらこれが現状のポテンシャルだと思います。昨年に比べれば速くなっているのですが、表彰台や優勝を目指すには改善のスピードを上げていくことが必要であり、それが早く叶うよう努力を続ける必要があります」マーベリック・ビニャーレス (7位)「何人かのライダーがミスをしてポジションが上がったことは幸運でした。序盤はペースが上がらず、モルビデリやバウティスタとのバトルに苦戦しました。終盤になるとグリップが上がりプッシュできるようになったのでバウティスタを抜き返すことができたのです。それでも7位という順位には満足できません。これまではセッティングに集中し問題を解決しようとしてきましたが、思うような前進はできませんでした。マシン自体はよく走ってくれているけれど、まだ作業が必要なのです。次回こそベストリザルトを目指せるよう、努力を続けます」マッシモ・メレガリ (チームディレクター)「スペインGPはいつも非常に見応えがあります。しかし今日のようなドラマティックな出来事は誰にも予想できませんでした。私たちに厳しい展開が待ち受けていることは十分に承知していましたが、この暑さのなかで多くの転倒があり、それが順位にも大きく影響することとなったのです。ロッシ選手とビニャーレス選手は中盤まで苦しみましたが、終盤にかけて少しずつペースが上がっていきました。ロッシ選手は表彰台にも手が届くかというところまで迫りましたし、ビニャーレス選手も苦しいなかで貴重なポイントを獲得しランキング3位をキープしました。明日はここでもう一度テストを行い、問題解決のために役立てたいと思います。へレスでのテストは非常に重要で、この結果を基準にパフォーマンス向上を目指して今後も作業を続け、本来の場所へ戻りたいと思います」Monster Yamaha Tech3ヨハン・ザルコ (2位)「ときには運も必要です。今日はそれが味方してくれました。3番グリッドからのスタートも助けになって序盤はペドロサよりも速いペースで走ることができたのですが、加速で彼のほうが優っていましたし、ブレーキングで抜くだけのマージンが見つかりませんでした。マルケスが逃げてしまったとしても、なんとかトップグループについて行きたいと考えていました。そうすれば表彰台争いができるからです。3人の転倒を見たときには信じられない気持ちでしたが、アドバンテージは十分、残りは7ラップと自分自身に言い聞かせ、集中して残りの周回を走りました。20ポイントを獲得できたことは本当にうれしいです」ハフィス・シャーリン (16位)「怪我の影響があり、正直なところ昨日よりもさらにきつい状態でした。そのなかでも中盤まではなんとか持ちこたえていたのですが、最後には痛みでマシンに普通に乗るだけの力も残っていませんでした。おそらく序盤でエネルギーを使い果たしてしまったのだと思います。このような状況のなかでも全力を尽くしてくれたチームに感謝し、また同時にとても申し訳なく思っています。今回は完走を目指し、そのなかでできるだけ多くを学ぶことを目標としてきました。それが達成できたことはよかったと思います。これから怪我の回復に努め、次回、チームのホームGPでいい走りをお見せできるようがんばります」エルベ・ポンシャラル (チームマネジャー)「信じられないようなレースになりましたがこれがMotoGPなのです。チェッカーフラッグが振られるまでは何が起こるかわかりません。ザルコ選手は見事なレース運びで5番手をキープしていましたが、その時点でできることはほとんどなかったと思います。前を行く4台が速かったからです。それでも懸命に攻め続け...
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