68,000人の熱烈なバイクファンに見守られて迎えたMotoGP スペインGP決勝。イアンノーネのポジティブな予選結果を受け、決勝結果には誰もが大きな期待を抱いたが、チームの願いに反し、苦い結果で幕を閉じることとなった。序盤好調な走りを見せたイアンノーネだったが、残り18周で転倒、リタイヤ。リンスの代役でMotoGPに初参戦した津田拓也は、初レースを完走するも、ノーポイントで終える。
イアンノーネはスタート直後に2台をオーバーテイクし、1コーナーを3番手で通過。序盤は安定したハイペースをキープしたものの、その後タイヤのスライドによりペースを維持できず、後続車に先を許し、10周目の11コーナーで痛恨の転倒を喫する。テストライダーの津田は、自身のキャリア初となるMotoGPレースを完走。今後のマシン開発に向けての貴重なデータを得ることとなった。津田 拓也 (決勝17位)「このウィークは走るたびに路面コンディションが変わり、とても難しかったですね。決勝は路面温度が上がり、スタート直後から、まるで違うバイクに乗っているような感じで、せっかく予選まで積み重ねてきたことを全く活かすことができず、悔しいです。本来ならばもう少し前のグルーブに接近できたと思うのですが、転倒のリスクが大きかったために、ペースを上げることができませんでした。MotoGPレースを経験したことで、今までのテストでは分からなかったことがたくさん分かり、学べたことも多かったので、明日のテストでは、そのデータを最大限活かせるようにしたいですし、さらに自分自身の走りもスキルアップし、今後のマシン開発に力を注ぎたいと思います。」アンドレア・イアンノーネ (決勝DNF)「スタートもうまくいったし、最初の4ラップはかなり良い感じだったんだ。でもタイヤが前後共滑り出してからは、どうにもすることができなかったよ。転倒して結果を残すことができず、チームに申し訳ない思いだし、自分自身も本当に悔しい。今日は路面温度が上がったせいで、路面が滑りやすくなり、僕だけじゃなく、他のライダー達も厳しい状況だったんじゃないかな。明日から2日テストがあるので、次戦ル・マンに少しでも良い状態で臨めるように走り込むよ。」河内 健 テクニカルマネージャー)「非常に厳しい週末でした。ここ数戦の問題を解決するために、日本で対策部品をいろいろと試し、このヘレスに投入しました。その結果が現れ、アンドレアには、予選まではその効果が見えたのですが、決勝のコンディションではそれがうまく機能しませんでした。津田君に関しては、初めてのMotoGPレース参戦ということで、難しいところがたくさんあったと思うのですが、一度も転倒することなく、レースを完走し、チームに貴重なデータを残してくれたことに非常に感謝しています。また、今回アンドレア用に持ち込んだ部品も、日本で彼がテストをしたものであり、その効果が見えたこともポジティブな要素だったと思っています。チームとしては非常に厳しい状況ではありますが、諦めずに、このあと2日間のテストで走りこみ、一歩一歩前進できるよう引き続き頑張ります。」ダビデ・ブリビオ チームマネージャー)「アレックスがいないこの週末は、それだけでもすでに厳しい週末でしたが、終わってみれば、さらに厳しさを増したような感じですね。とにかく早くアレックスに戻ってきてもらいたい思いです。アンドレアは昨日の予選がうまくまとまり、決勝は前列2列目からのスタートだったので、我々は皆彼が良いレースをしてくれるだろうと期待していました。序盤のペースは悪くなかったのですが、タイヤが滑りだしてからはマシンの挙動が抑えられなかったようで、転倒という残念な結果に終わってしまい、本当に残念です。ライダーはそれほど無理をしていなかったようなので、しっかりと原因を究明しなくてはなりません。この後そのままヘレスに残り、明日から2日間テストを行うので、次戦ル・マン向け、少しでも良い状態で迎えられるよう準備をしたいと思っています。このテストには次戦からアレックスが復帰するまでの間代役を務めるシルバン・ギントーリも参加するので、今後に向けての対策をしっかり見つけ出したいと思っています。」関連:【MotoGP】 第4戦 スペインGP 結果:ダニ・ペドロサが地元で今季初優勝
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