昨日の雨が上がり、ドライコンディションで迎えたMotoGP アルゼンチンGP決勝だったが、アンドレア・イアンノーネは16位、アレックス・リンスは14周でリタイヤと、共にノーポイントで終えた。4列目グリッドからスタートしたイアンノーネは、集団の中にのまれる形で1コーナーを通過中、後ろから他車に接触され、転倒こそ免れたものの、大きくポジションダウン。その後ジャンプスタートによるライドスルーペナルティを課せられ、大きく後退することとなる。
ペナルティ後コースに復帰し、安定したペースで最後まで追い上げを試みるも、ポイント獲得にあと一歩及ばず、レースを終える。レースウィークを通し、負傷中の右踵の痛みと闘いながら走行を続けていたリンスは、最後尾から素晴らしいスタートを決め、1周目で15番手まで一気にポジションアップ。6周目にはさらにひとつポジションを上げ、14番手となるも、その翌周に痛恨の転倒を喫する。すぐに再スタートし、一度はレースに戻るも、負傷していた右踵の痛みにより、自らピットインし、リタイヤとなった。アンドレア・イアンノーネ (決勝16位)「ライドスルーのペナルティは、正直とても厳しい判定だったと思うんだ。ポジションを上げたわけじゃないし、それどころか、スタート直後に他車にぶつけられて大きくポジションダウンした。レースディレクションには、ライドスルーじゃなく、もっと違うペナルティを検討してもらいたかったね。ともかく1コーナーでぶつけられてポジションを落としたところからケチがついた感じだった。ライドスルーをしてコースに戻ってからのペースは悪くなかったし、何もなければ、表彰台には届かなかったとしても、トップ6では間違いなく終われたと思う。カタール、アルゼンチン共に残念な結果が続いているので、気持ちを切り替えて、再スタートするよ。」アレックス・リンス (決勝DNF)「かなり辛い週末だったよ。怪我の痛みがあることはもちろん予測していたけど、思っていた以上に踵の痛みが酷かったんだ。でもとにかくなんとか決勝を走りたいと思っていたから、3日間頑張った。最後尾からのスタートだったけど、思った以上に冷静でいれて、良いスタートができたと思う。レース中は痛みもそんなに気にならなくて、比較的普通のライディングができたんだけど、ブレーキングのフィーリングがいまいち良くなくて、13コーナーで前をオーバーテイクしようとした時に、フロントが切れ込んで転倒してしまった。転倒自体はたいしたことなかったんだけど、怪我している右踵を強く打ってしまい、そこから痛みが酷くなってしまったために、ピットインしたんだ。次戦オースチンに向けてゆっくり休養し、できる限りの治療をしてアメリカに向かうよ。オースチンは大好きなサーキットだし、怪我も状況も良くなっていくはずだからね。」河内 健 (テクニカルマネージャー)「決勝は大変残念な結果になりました。朝のウォームアップではアンドレアもまずまずのペースで走れていたので、決勝には期待していたのですが、1コーナーでのアクシデントとジャンプスタートのペナルティにより、結局結果を残すことができませんでした。彼のアクシデント、ペナルティ後のペースは悪くなかっただけに、非常に残念でなりません。アレックスに関しては、今週怪我を推して頑張って走行し、決勝でもポイント獲得圏内のペースだったので、転倒が非常に残念です。怪我が悪化することがなかったことが幸いです。いずれにしても、非常にフラストレーションの溜まるレースでした。次戦オースチンでは、必ず両ライダーが揃って良い結果を残せるよう頑張っていきますので、引き続き応援よろしくお願いします。」ダビデ・ブリビオ (チームマネージャー)「1ポイントも獲得できないままアルゼンチンを去るというのは、本当に受け入れ難い事実です。アレックスは怪我を負いながらも、ライディングを学びながらデータを収集し、決勝では素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたので、レースを完走できなかったことが本当に悔やまれます。彼の努力と頑張りには我々も感銘を受けましたし、必ずこの先の結果に繋がっていくと信じています。アンドレアに関しては、スタート直後の1コーナーで他車に接触されたことと、ジャンプスタートのライドスルーペナルティで、残念ながら期待していた結果を残すことができませんでした。今日のレースのことは忘れ、次に向けて気持ちを切り替えることにします。我々のパッケージはまだまだ進化できると思っていますし、必ず結果を残せる自信もあります。オースチンは我々のマシンにとって相性が良いサーキットとは言い難いですが、ともかくベストを尽くし、ポジティブな状態でヨーロッパに戻っていけるよう、引き続き全力で頑張っていきます。」
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