チームスズキエクスターにとって、新しいライダーふたりを迎えての初レースとなった開幕戦カタールGPは、陽陰入り混じる結果となった。MotoGPルーキーのリンスは、最高峰クラスでのデビューレースで9位フィニッシュと大健闘。しかし、チームメイトのイアンノーネは、トップグループで快走を見せるも、転倒を喫し、痛恨のリタイアとなった。
決勝直前に降り出した雨の影響により、決勝スタートは45分のディレイ。2周のウォームアップラップでコースの安全を確認した後、レーススタート。18 番手グリッドからスタートしたリンスは、スタートを決め、1コーナーで12番手までポジションアップ。終始安定した走りを見せ、最終ラップ最終コーナーでさらにひとりをオーバーテイクし、シングルフィニッシュとなり、同時にルーキー・オブ・ザ・イヤーのトップランカーとなった。リンス同様、素晴らしいスタートで2番手グリッドからホールショットを決めたイアンノーネは、攻めの走りでトップグループを死守。レース中盤に転倒を喫し、結果はリタイヤとなるも、GSX-RRの進化を証明すると共に、今後のレースへの大きな期待をもたらせた。アレックス・リンス (9位)「今日のレースで学んだことは本当に多く、素晴らしい経験になったと思う。テストやフリー走行の時以上に、レースでは学ぶことが多かったね。スタートはうまく決まったんだけど、MotoGPのレース経験がない分、速いライダー達をオーバーテイクするのは容易じゃなかった。バイクは間違いなくトップ10をコンスタントに狙える戦闘力を持っていると思うから、次戦では予選のポジションを上げ、少しでも前からスタートできるよう頑張るよ。」アンドレア・イアンノーネ (リタイア)「ポジティブなレースだったのに、転倒してしまったせいで結果を残すことができず、チームに申し訳ない気持ちでいっぱいだよ。テストからレースウィークにかけ、マシンはかなり進化したけど、まだフィーリングは完璧とは言えない。でもまだまだ改善の余地はたくさんあるから、引き続き色々とトライしていくよ。今日の転倒は他車と接触したせいで、これは完全に自分のミスだった。まだ余力があったから、大きなチャンスを逃してしまったことが本当に悔やまれるよ。今日みたいなミスは、今シーズン、これが最初で最後にしなくちゃね。スズキが僕を信頼してくれ、素晴らしいマシンを作ってくれているのだから、早く結果を出して皆にお返ししたいんだ。」河内 健 (テクニカルマネージャー)「良いことと悪いことが半々の結果でした。アンドレアの転倒は本当に残念でしたが、一方、テストで苦戦していたのが、この週末で大きく進化することができ、決勝でも転倒するまではポジティブなパフォーマンスを見せてくれたので、ライダーの頑張りに感謝しています。アレックスに関しては、MotoGPデビューレースにも関わらず、非常に安定した走りで、トップ10入りを果たしてくれました。とても良い仕事をしてくれたと思っています。この週末はふたりのライダーから色々なことを学べたと思うので、このデータを活かして、さらに上を目指していきます。次戦ではアンドレア、アレックスが共に上位フィニッシュできるよう、我々も全力で開発を続けていきます。」【MotoGP】 カタールGP:ヤマハのマーベリック・ビニャーレスが優勝!