フランチェスコ・バニャイアは日本GP決勝で圧倒的な走りを見せ、終盤にエンジンから白煙を噴きながらも首位を守り抜いた。一方、マルク・マルケスは2位でゴールし、5戦を残してMotoGP通算7度目、グランプリ通算9度目のタイトルを確定させた。マルケスはスプリントでジョアン・ミルの後方を走る時間が長かったが、日曜決勝ではホンダのミルがターン1でミスし、序盤から3番手に浮上。
しかしすぐにペドロ・アコスタの背後に詰まることとなった。序盤、アコスタのブレーキングの強さに阻まれ仕掛けることができず、その間にバニャイアは6周目に2秒、10周目には3秒以上の差を築いた。11周目にターン3でアコスタを攻略したとき、バニャイアとの差は3.7秒。以降も差は大きく縮まることなく推移した。だが15周目、バニャイアのドゥカティから目に見える煙が上がり始め、周回を重ねるごとに激しさを増していった。エンジンがいつ止まってもおかしくない状況に思えたが、驚くべきことに最後まで持ちこたえた。しかもペースは大きく落ちることなく、マルケスが中古タイヤでスパートをかけ差を半分に縮めたものの、最終的に4.2秒差を保ってチェッカーフラッグを受けた。3位にはミルが入り、ホンダにとって初の表彰台、自身にとっては2021年ポルティマオ以来となるMotoGPでの表彰台を獲得。アコスタは中盤でペースを落とし、ベッツェッキの猛追を受ける展開に。ミルはアコスタをかわした後、十分な差を築いてベッツェッキを抑えきった。終盤にはマルケスを追う場面もあったが、マルケスが再びペースを上げ、差を広げた。ベッツェッキは5周目にモルビデリをかわし、アコスタもパス。モルビデリも続き、0.3秒差でゴールした。アコスタは最終的にアレックス・マルケスとの攻防でグラベルに飛び出し、ノーポイントに終わった。アレックスは6位入賞を果たしたが、タイトル争いからは正式に脱落した。ラウル・フェルナンデスは7位。チームメイトの小椋藍はミサノでのケガによる手の痛みが残り、欠場を決断した。クアルタラロは序盤に4番手に浮上したが、ターン3でミルに抜かれ、ターン5でモルビデリに仕掛けられたことをきっかけに後退。その後は単独走行でザルコを抑えて8位に終わった。グレシーニの新人アルデグエルは1周目14番手から巻き返し10位フィニッシュ。リタイアは3台で、中でも中上貴晶は極めて低速の転倒でグラベルに飛び出してしまった。ルカ・マリーニもテクニカルトラブルでシーズン初のリタイア。ジャック・ミラーは終盤にチェーンが外れ、無念のリタイアとなった。決勝結果1.フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)2.マルク・マルケス(ドゥカティ) +4.196s3.ジョアン・ミル(ホンダ) +6.858s4.マルコ・ベッツェッキ(アプリリア) +10.128s5.フランコ・モルビデリ(VR46ドゥカティ) +10.421s6.アレックス・マルケス(グレシーニ・ドゥカティ) +14.544s7.ラウル・フェルナンデス(トラックハウス・アプリリア) +17.588s8.ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ) +21.160s9.ヨハン・ザルコ(LCRホンダ) +21.733s10.フェルミン・アルデグエル(グレシーニ・ドゥカティ) +23.107s11.エネア・バスティアニーニ(テック3 KTM) +23.616s12.ブラッド・ビンダー(KTM) +23.882s13.ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46ドゥカティ) +29.359s14.ミゲル・オリベイラ(プラマック・ヤマハ) +30.788s15.ソムキアット・チャントラ(LCRホンダ) +30.990s16.マーベリック・ビニャーレス(テック3 KTM) +31.712s17.ペドロ・アコスタ(KTM) +34.157s18.アレックス・リンス(ヤマハ) +34.792sDNF.ジャック・ミラー(プラマック・ヤマハ)DNF.中上貴晶(ホンダ)DNF.ルカ・マリーニ(ホンダ)
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